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[総体]ユース取材ライター陣が推薦する総体予選注目の11傑vol.4

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安藤氏が注目するMF谷内田哲平(帝京長岡高)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校総体予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは熱戦展開中の平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技都道府県予選の注目選手を大特集。「総体予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に総体予選注目の11選手を紹介してもらいます。第4回は“ユース教授”ことサッカージャーナリストの安藤隆人氏による11名です。

 安藤隆人氏「インターハイ予選11傑は、他のライターさん達がいわゆる『メジャー級』を外してセレクトをしていることを加味し、私自身もメジャー級を外した選手達をセレクトしようとしてみました。選出した関川郁万高橋大悟、新井光、谷内田哲平は関係者の間ではある意味メジャーかもしれませんが、一般的にはまだ知られていない可能性があるため、選ばせてもらいました。最後まで悩んだのが、新井と荒木駿太のどちらを選ぶかでした。バイタルエリアで変化を加えられる新井の存在はかなり魅力的だが、新井はすでに湘南に特別指定されているため、荒木にしました。この中でインターハイ予選を勝ち抜いて、全国の舞台に立つ選手は何人現れるのでしょうか。真夏の主役の座を目指して、しのぎを削るインターハイ予選にも是非目を向けて下さい」

以下、安藤氏が推薦する11名
GK飯田雅浩(青森山田高2年)
「上手さが光るGKだ。今は3年生の坪歩夢にレギュラーを奪われているが、GKとしての技術、スケールは非常に高い。しなやかなキャッチングとセービングの柔らかさを持ち、ステップワークもいい。今はじっくりとベースを作り上げている最中であり、その内ブレイクする可能性も秘めている。期待値の高いGK」

DF鍵山慶司(青森山田高3年)
「右サイドバックとして抜群の身体能力を誇り、弾き返す技術は非常に高い。フィジカルや前への推進力にも秀いで、機を見たオーバーラップと、戻りながらの守備の質は非常に高い。攻守に関わり続けられるサイドバックとして期待したい」

DF関川郁万(流通経済大柏高2年)
「センターに彼がいるだけで大きな安心感を得ることが出来る。空中戦に強く、攻守両面においてしっかりとミートが出来る強烈なヘッドは威力を発揮する。対人能力も高く、気迫と読みの鋭さ、そして球際の激しさで相手エースを潰すことが出来る。守備の安定には欠かせない存在」

DF志摩奎人(松山工高3年)
「偉大な先輩である松下佳貴(神戸)を彷彿させる能力を持ったボランチ兼CBだ。左右両足から繰り出される正確なフィード、球際の強さ、そして空中戦の強さ。セントラルポジションで抜群の存在感を放つ彼は、1年時から活躍を続け、最終学年を迎えてさらにスケールアップ。ぜひ全国の檜舞台で見たい存在だ」

DF嶋中春児(長崎総合科学大附高3年)
「相手のエースにどこまでも付いて行き、仕事をさせない『スッポンディフェンス』が代名詞となりつつあるが、彼は非常にテクニカルな選手だ。ボールを持ったら独特のリズムを刻むドリブルと、正確なキックを持ち、一人で局面を打開出来る。どのポジションでも器用にこなせるユーティリティーだが、このメンバーの中では左サイドバックに置きたい」

MF岩崎慶太(帝京長岡高1年)
「181cmの高さを誇るボランチは、1年生ながらチームでレギュラーを掴んでいる。まだ未熟な面は多いが、柔らかいボールタッチでボールを足下に収めると、精度の高い長短のパスを繰り出し、攻撃を構築する。フィジカルベースがもっと上がれば、代えの利かない攻守の要として成長をして行ってくれるはずだ」

MF谷内田哲平(帝京長岡高1年)
「昨年は中3ながらプリンスリーグ北信越でプレーし、安定感抜群のプレーを見せた。一瞬のひらめきに長け、細かいボールタッチと高いアジリティーを駆使し、瞬時にパスかドリブルかを選択。相手の意表を突くプレーを連続し、相手守備網を混乱に陥れて行く。複数のJユースが触手を伸ばした新潟の逸材だ。この布陣ではトップ下に置きたい」

MF高橋大悟(神村学園高3年)
「すでにJクラブから注目を集める小柄なテクニシャン。狭い局面でも足裏やダブルタッチを駆使して、軽やかにすり抜け、左右両足から強烈な一撃を見舞わす。『蝶のように舞い、蜂のように刺す』という言葉がぴったりな、バイタルエリアのスナイパーだ。谷内田と組ませるとどのような連携を見せてくれるのか。一度見てみたい」

MF水野雄太(大津高2年)
「ボールコントロールとオフ・ザ・ボールの動きに長けたアタッカー。左サイドから仕掛けて行くドリブルは破壊力十分で、その後のリカバリー能力も非常に高い。連続したプレーが出来る彼は、ぜひともプロに行って欲しい存在だ」

FW荒木駿太(長崎総合科学大附高3年)
「点が獲れる場所を良く理解している。常にゴール前のスペースを狙い、そしてチャンスと見たら爆発的なスピードで一気に駆け抜け、ゴールを陥れる。その姿は旋回しながら獲物を探し、一気に仕留める鷹のようだ。消える動きも上手く、一瞬でも目を離したら、たちまちやられてしまう。相手DFにとっては一切気の抜けない存在だ。宮崎とのコンビネーションも非常に相性がいいだろう」

FW宮崎鴻(前橋育英高3年)
「日本人の父とオーストラリア人の母を持つ大型ストライカーは、フィジカルベースが高く、屈強な肉体を活かして前線であらゆるボールを収めて行く。空中戦はもちろん、胸トラップからのキープが抜群に上手く、相手DFが複数で潰しに来ても、しっかりと収めて、周りにボールを配って行く。パンチ力も十分で、個の仕掛けからゴールを決めることが出来る。将来性抜群のパワーストライカー。3年生でレギュラーを掴んだ遅咲きだが、この1年でブレイクして欲しい」

執筆者紹介:安藤隆人
 日本列島、世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。育成年代を精力的に取材する“ユース教授”。主な著書は『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、『高校サッカー聖地物語』(講談社)など
●【特設】高校総体2017

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