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[関東]駒大がFW高橋弾で先制も、DF袴田の土壇場同点弾で明大がドローに持ち込む

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明大はドローに持ち込む、浦和内定MF柴戸は豊富な運動量で存在感

[5.28 関東大学1部L第7節 明治大1-1駒澤大 味フィ西]

 第91回関東大学1部リーグ第7節の2日目が28日に行われ、味の素フィールド西が丘の第2試合では明治大駒澤大が1-1で引き分けた。駒大が先制するも、終了間際のアディショナルタイム3分に明大が追いつき、勝ち点1を分け合った。4戦負けなし(2勝2分)とした明大は8位から6位へ浮上。連敗を2で止めた駒大は9位から8位へ上げている。

 前節で復帰後初のフル出場を果たした明大の主将・FW木戸皓貴(4年=東福岡高)だったが、24日の練習中に左膝を負傷。大事を取る形で欠場した。これにより、4-3-3の3トップは右からFW櫻井敬基(4年=藤枝東高)、FW土居柊太(4年=浜松開誠館高)、FW富田光(3年=中京大中京高)が入った。

 対する駒大は2戦連続零封負けで3戦勝ちなし(1分2敗)という状況。前々節で退場した影響で前節は出場停止だったDF星キョーワァン(2年=矢板中央高)が先発に復帰。MF大川雅史(4年=駒澤大高)は4戦ぶりに先発し、ボランチへ入った。

 両校の集中応援ということもあり、1990人もの観客が入った一戦。明大・栗田大輔監督が「前半はある意味、目指している今年の明治を象徴するようなサッカーができた。テンポ、距離感が良く、ボールを動かしながら、幅を使い、サイドから特長ある選手が湧き出てくるようなサッカー。サイドには櫻井のような選手もいて、攻撃のバリエーションはあるので」と振り返ったように、前半の明大は“理想の戦いぶり”だったが、得点にはつながらず。

 右SB岩武克弥(3年=大分U-18)と左SB袴田裕太郎(3年=浜松開誠館高)のサイド攻撃に3トップが連動しては相手を脅かしたがネットは揺らせない。木戸に代わって、キャプテンマークを巻いたMF柴戸海(4年=市立船橋高)のボール奪取からカウンターも迎えたが決めきれずに時間は過ぎた。

 駒大は前半29分にセットプレーのチャンスを得る。左サイドをドリブルで仕掛けたMF中原輝(3年=ルーテル学院高)がCB山崎浩介(4年=大宮ユース)に倒され、FKを獲得。SB熱川徳政(4年=藤枝東高)のボールに星が合わせるが枠を外れた。互いに決定力を欠き、0-0で前半を終える。

 迎えた後半は立ち上がりから駒大が押し込む。開始2分には相手のパスミスをかっさらったMF安藤翼(3年=長崎総合科学大附高)が自らシュートを打つが枠外。同3分には右サイドからFW大村英哉(4年=聖隷クリストファー高)がドリブルで仕掛けたがシュートで終われず。同6分には大村のパスをゴール正面で受けた安藤が切り返しから右足シュートも枠を外れた。

 後半の入りに出遅れた明治大。セカンドボールを拾えずに後手を踏むシーンが続く。後半8分、右サイドから崩しにかかり、最後はMF中村健人(2年=東福岡高)がシュートもGK輪島稜(4年=札幌U-18)に止められた。同8分に最初の交代。直前の接触プレーによる脳震とうの影響で、千葉内定CB鳥海晃司(4年=千葉U-18)に代わり、DF上夷克典(3年=鹿児島城西高)。同20分には冨田に代えて、MF村田航一(3年=日章学園高)を入れた。駒大は同21分に最初の交代カードを切る。安藤に代えて、FW小口大司(4年=前橋育英高)を送った。

 すると後半24分に試合は動いた。駒大の右CKを中原が蹴り入れ、ニアのDF鈴掛涼(3年=清水桜ヶ丘高)のヘディングシュートはクロスバーを叩くも、こぼれを大村が頭で落とし、最後はPA左のFW高橋潤哉(2年=山形ユース)が左足シュートを突き刺した。高橋の今季2点目で1-0と先制に成功した。リードを奪った駒大は同27分に大川に代わり、MF荒木直道(4年=湘南工大附高)を入れる。同41分には最後のカードを切り、中原に代えて、MF伊藤大祐(3年=山梨学院高)を入れた。

 なんとか追いつきたい明治大は前半32分、右サイドをスピードに乗って突破した岩武のクロスから土居がヘディングシュートもクロスバー上。1点が遠い。同33分には痛んだMF金原唯斗(4年=磐田U-18)に代えて、MF安部柊斗(2年=FC東京U-18)を入れる。同36分にはPA手前左でFKを献上したが、中原のボールはCB山崎が顔面でブロック。守備陣は最小失点に留めようと奮闘する。同39分には右サイド遠目の位置でFKを獲得。中村が直接狙うがポスト左へ外れた。

 このまま試合終了かと思われたが、後半アディショナルタイム3分に明大が追いついた。自陣右から仕掛けた櫻井が相手DF二枚の間を割ろうとするがカットされる。それでもこぼれを拾った袴田が迷いなく左足を振りぬいた。距離ある位置からの低い弾道の一撃はゴールネットを揺らした。袴田の大学リーグ初弾で追いつき、1-1。その後はスコアは動かずに試合は終了。勝ち点1を分け合った。

 試合後、明大の栗田監督は「(今季)やろうとしているサッカーは難しいので、時間がかかるのかなと。去年の明治のサッカーはハイプレス、ショートカウンターを徹底して一年間やりきったのですが、相手チームも対策してきますし、選手も息切れしてしまうので、もっとボールを保持して動かしてということで、今年はずっと取り組んでいる。それを成熟させるのはまだまだ時間がかかると思うので、試合を通じて選手が自信を持ってくれるといいなと思います」と先を見据えた。

(取材・文 片岡涼)

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