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「泣くほどうれしかったのは初めて」涙の残留を振り返る酒井高徳

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ブンデスリーガ1部残留を決め、笑顔で日本代表に合流したDF酒井高徳

 劇的な残留劇から1週間余り。いつまでも余韻に浸っているわけにはいかなかった。ブンデスリーガ最終節で1部残留を決めたハンブルガーSV日本代表DF酒井高徳は海外組のみでスタートした代表合宿初日のトレーニングを終え、「一番大事なのはケガなく、(国内組も含めた)全体合宿に合流すること。張り切り過ぎず、気を抜き過ぎずにやりたい」と笑顔を見せた。

 2部との入れ替え戦に回る16位で最終節を迎えたハンブルガーSVは15位ボルフスブルクとの直接対決に2-1で逆転勝ちし、劇的な1部残留を果たした。ブンデスリーガ創設から唯一、降格経験のないハンブルガーSV。そのクラブでシーズン途中からキャプテンに就任した酒井高は残留を決めた試合後、感極まって涙した。

「泣くとは思わなかったけど、勝手に自然と出てきた」。初めて2部に落としたキャプテンとして名を残すわけにはいかない。クラブの伝統を守り抜いた安堵から感情があふれ出た。「いろんな感情があった。ホッとしたし、泣くほどうれしかったのは初めて」。海外クラブのキャプテンとして熾烈な残留争いを乗り越えた経験は厳しくつらいものだったが、何にも代え難い財産となった。

「つらい状況でも自分のパフォーマンスを下げずにプレーできたことは良かった。メンタル面で成長したのが一番。ポジティブにポジティブに考えて、自信を持ってプレーしようと。チームがどんな状態でもあきらめずにプレーできたことは自信につながった」。ひと回りもふた回りもたくましさを増した“キャプテン高徳”が日本代表にもたらすものも大きいはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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