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リバプールが移籍市場で主役を演じる可能性…CLで戦えるチームになるために必要なこと

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来季、ユルゲン・クロップ監督はリバプールでどうCLに挑むのか

■ついにCLへカムバック!

 リバプールは16-17シーズンのプレミアリーグ最終節で、ミドルスブラに3-0で勝利を収めた。プレミアリーグを4位で終え、これによりリバプールは17-18シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)に挑戦する(※予選からのスタートでグループリーグ出場を狙う)。

 それに向けてリバプールが次にすべきことは、今夏の新戦力探しとなる。ユルゲン・クロップ監督は夏の移籍市場に向けて「すでに動いている」ことを明らかにした。

 チーム最大の補強ポイントと言えるDFには、ビルヒル・ファン・ダイク(サウサンプトン)やカリドゥ・クリバリ(ナポリ)が獲得リストの上位にあると見られる。また『Goal』の取材によって、中盤のメインターゲットにはナビ・ケイタ(ライプツィヒ)の名があることも明らかになった。

 前線ではユリアン・ブラント(レバークーゼン)の名が挙がっていたが、レギュラーの座にふさわしいかどうかを懸念している模様で、代替としてモハメド・サラー(ローマ)も候補に挙がっている。

 また、有力候補の一人と目されるアレックス・オクスレイド・チェンバレン(アーセナル)もマルチロールぶりでチームの戦術オプションを広げてくれそうだ。左サイドバックには“フルアムの神童”こと17歳のライアン・セセニョンを狙う一方で、即戦力としてより経験豊富な選手も複数リストアップしている模様。

■ミルナー「加入の理由が欧州カップ戦だったら失礼」

 リバプールが獲得を狙っているとされる有力選手は多岐にわたっており、欧州カップ戦を含めたハードスケジュールを戦い抜くために、今夏の大型補強は確実と見られている。欧州最高の権威ある大会に参戦することが決定しているリバプール。副キャプテンのジェームズ・ミルナーは、このクラブに加わることにはそれ以上に大きな意味があると語っている。

 記者から「もしレアル・マドリーやバイエルンといったクラブと並んでも、リバプールは魅力的な選択肢か?」と問われ、ミルナーは「僕はそう思う」と即答した。また、次のように続け、リバプールへのステップアップを狙っている選手にクギを刺している。

「もしチャンピオンズリーグに出られるからという理由を重視してレッズ(リバプールの愛称)を選ぶとしたら、それはクラブに対して敬意を欠いている」

「このクラブには歴史があり、リバプールを愛している監督、そして同じくここでプレーすることを名誉と思っている選手たちがいるんだ。加入の理由が欧州カップ戦に出られるから、と思っている選手がいたら、それはリバプールに対して失礼なことだと思う。欧州の舞台でプレーするためにここに来るとしても、出場できるだけの選手であることを示す必要がある。ここに来たら、自分の務めを果たすべきなんだ」

 ミルナーはドイツからやってきた熱血漢クロップの下で、さらに前進していきたいと意気込んでいるようだ。過去10シーズンで、リバプールが勝ち点76を上回ったのはわずか2回だけだ。そして過去8年間でトップ4入りを果たしたのもわずか2シーズンだけである。つまり、クロップ体制2年目にして、リバプールは近年トップクラスの成績を残したことになる。

■クロップ体制3年目の来季が正念場

 現在31歳のミルナーは数多くのポジションをこなせるマルチロールとして知られ、手薄なポジションを埋める役割を担う貴重な戦力だ。「来季、クロップが再び左サイドバックでのプレーを要求してきたら?」の問いに対して、ミルナーは「それがチームの助けになるなら喜んで受け入れる」と答えている。

「リバプールはこれからビッグマッチ、そして欧州のコンペティションでも戦っていくんだ。僕たちはチームとしてより向上していかないといけない。どんな状況でも自分たちができる限りのことをやっていく必要がある」

「16-17シーズンは中盤からチームとしてだんだん良くなったね。去年は良かったり悪かったりだったけど、今年に入ってからはほとんどの試合で、ゲームを支配するいい戦いぶりを見せられたと思う」

「昨年、僕たちはまるで“ジキルとハイド”みたいな二面性があった。せっかく素晴らしい試合をしたのに、その翌週に悲惨な試合をしたりね。だけど、今年に入ってからはポゼッションでいい形が増えてきて、より前へと攻めることができたんだ。WBA戦やストーク戦のような、タフなアウェーでも勝つことができた。それと、僕たちチームのもう一つの魅力として、“若いチーム”と言えることだ。まあそのかわり、僕なんかは突出して年寄りに見えるかもしれないけどね(笑)」

「この夏に新たなメンバーが加わるだろう。アンフィールドに新たなメインスタンドが設置される予定だし、練習場も新設される計画があるみたいだ。これらの新要素はリバプールにとって素晴らしいことだね。このクラブに足を踏み入れた時に味わいたいと思っていたことが、次々に実現していく。そう、うまくいけば僕たちはトロフィーを手にすることができるはずだ。それがリバプールの次なる目標だよ」

 来季のリバプールはどんな顔ぶれで、激闘に挑むのか。リーグ戦、国内カップ戦の二足のわらじをこなした上で、欧州カップ戦も含めたハードスケジュールをこなすことが求められる。そんな状況下でチームが疲弊して失速してしまうことは、前王者レスターの例を挙げるまでもなく、懸念材料となっている。

 だが、リバプールを指導するクロップは、ドルトムント時代から複数のコンペティションを戦い抜くことの難しさを熟知している。イングランドのクラブで、過去にチャンピオンズリーグ(前身のチャンピオンズカップ時代含む)を制した回数が多いのは言わずもがなリバプール(5回)だ。クロップ監督がリバプールで真価が問われるのは、チャンピオンズリーグを戦う就任3年目の17-18シーズンとなりそうだ。

 果たして、今夏の移籍市場でリバプールはどのような立ち回りを見せるのか。クラブの今後の未来を大きく左右するであろう、その動向から目が離せない。

文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy

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