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本格強化2年目の1、2年生軍団・近江が野洲、草津東を連破!滋賀決勝進出!

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決勝進出を喜ぶ近江高イレブン

[6.1 全国高校総体滋賀県予選準決勝 近江高0-0(PK4-3)草津東高 布引]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)への出場権を懸けた滋賀県予選は1日に準決勝を行い、近江高が0-0で突入したPK戦の末に4-3で草津東高を撃破。近江は3日の決勝で綾羽高と戦う。

 元清水FWの前田高孝監督就任3年目、本格強化をスタートしてからまだ2年目の近江が準々決勝で“セクシーフットボール”こと野洲高を2-1で破ったのに続き、準決勝でも全国高校総体出場12回の名門・草津東を破った。

「僕らのようなチームは何かやってやろうとか、ギラギラしているやつじゃないといけない」という前田監督の下、貪欲な勝利への姿勢と積極的な仕掛けを続けた新鋭が勝つためにやってきたことをピッチで表現。これまで大事な試合をPK戦で落としてきた反省から、この1か月間徹底して準備してきたというPK戦でも強さを発揮し、堂々の決勝進出を果たした。

 硬さのあった前半は思うようなサッカーができなかった。果敢にドリブルで仕掛ける姿勢こそあったものの、数的不利の状況で仕掛けてアタッキングゾーンに入る前にボールを失い、草津東にボールを支配されてしまう。MF竹端勇人(3年)を軸にボールを動かす草津東はサイドからクロスまで持ち込み、MF橋本卓成(2年)やMF八代葵斗(3年)が決定的なシュートを打ち込んだ。

 近江はPAにボールを持ち込めないまま前半を終えたが、ボールサイドの攻防で強さを発揮するなど守備から草津東に食い下がる。中盤の底に位置するMF竹村俊二(2年)が潰し役となっていたほか、長身CB山内舟征(2年)と冷静な守備光るCB長ケ原陸矢(2年)の両DFや、ゴール前で存在感を発揮していたGK土屋ヒロユキ(2年)が中心となって得点を許さない。

 0-0で前半を折り返すと、後半にはFW岡崎藤吉(2年)のスルーパスからMF竹村健汰(2年)がビッグチャンスを迎え、30分には竹村俊の左クロスに山内が決定的な形で飛び込んだ。草津東は技巧派の10番MF葉賀洸(3年)や橋本が局面を破るシーンがあったほか、左SB向井鋭斗(3年)がミドルシュートにチャレンジしていたが、決定打を打ち込むことができない。後半の35分間も0-0のまま終わったが、むしろ多くの得点チャンスを作り出していたのは、盛り返した近江の方だった。

 延長戦ではオープンな展開となる中、近江FW槙山佳佑主将(2年)の左足FKがゴールを捉え、草津東は交代出場のMF山本佳輝(2年)やFW栗山高季(2年)が決定機を迎えたが、近江は山内、長ケ原がブロック。そして近江は0-0の延長後半終了間際に好守を続けていたGK土屋に代えてPK戦要員のGK誉田旅人(1年)をピッチへ送り出した。

 PK戦では先攻・草津東の3人目のシュートが枠外。一方、近江は1人目の岡崎から4人目の長ケ原まで4人連続で成功する。最後は草津東5人目のシュートを誉田が読み切ってストップ。この瞬間、近江の決勝進出が決まった。

 近江は前田監督のアルビレックス新潟シンガポール時代の恩師である大塚一朗監督が率いる名門・富山一高や大学生に胸を借りるなど、全国レベルを体感。隙あれば簡単にゴールをこじ開けてくるチームとの対戦で球際やシュートブロック、切り替えの速さなどを磨いてきた。

 そして「元々2年生中心のメンバーで普段から野洲や草津東を2年生のうちに倒すという目標でずっとここまでの練習を苦しい中でやってきた」(槙山)という目標の一つを達成。だが、ここで気を緩めるつもりはない。前田監督も「まだ(全国出場は)決まっていない」と語ったように、大事なのは決勝で勝つこと。1、2年生軍団は勢いを緩めることなく、一気に頂点を奪い取りに行く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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