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本格強化5年目の松本一が堅守と対応力の高さ発揮して長野準決勝突破!全国初出場まであと1勝!

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前半19分、松本一高FW増澤陸斗が先制ゴール

[6.3 全国高校総体長野県予選準決勝 松本一高 3-1 長野日大高 長野Uスタジアム]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(7月開幕、宮城)への出場権を懸けた長野県予選準決勝が3日に長野Uスタジアムで行われ、松本一高がFW増澤陸斗の2ゴールとMF高野準希のゴールによって3-1で長野日大高に快勝。初優勝に王手を懸けた。

 本格強化5年目の松本一が堂々の戦いぶりで準決勝を突破した。15年度の総体予選で4強入りし、同年度の選手権予選で初めて県決勝進出を果たした松本一は昨夏も県4強。着実にベースを高めてきているチームが今回、新たな歴史を築こうとしている。

 試合はボールを握った長野日大が左のテクニシャン、MF大口空と右のMF佐藤良哉の両翼の突破や細かいパスワークでサイドから松本一の守りを崩そうとする。だが、松本一は吉田慶士監督が「 (今日は)高い位置からの守備と自陣の守備の準備をしていた」というように、足元の技術高い相手に対してハイプレスとブロックを作って守る部分をしっかりと使い分けて対応。ボールを奪い切ると、前線で存在感放つFW小林ケリム正樹を起点とした攻撃で攻め返した。

 そして前半19分、松本一は敵陣高い位置でインターセプトすると、一気にショートカウンター。PAでボールを受けたFW増澤がDFをかわして右足シュートをゴールへ押し込んだ。

 さらに左スローインからのコンビネーションで左SB工藤圭吾主将がPAへ切れ込むなどチャンスをつくる松本一は24分、右サイドのMF柳原竜希からのラストパスを受けた増澤が落ち着いてGKをかわし、左足で2点目のゴールを流し込んだ。

 リズム良くボールを動かし、仕掛けまで持ち込んでいた長野日大にとっては痛恨の2失点。だが、31分、右サイドを深くえぐったFW根岸俊輔の折り返しから、MF宮澤章太が正確な左足シュートを左隅に決めて1点を返す。

 それでも松本一は後半6分、10番MF高野が鮮やかな右足コントロールショットを右隅に沈めて3-1。その後も献身的にボールに絡むMF矢島諒と高野のダブルボランチやCB傳田奨悟のところでボールを奪い取っていた松本一は長野日大にシュートを打たせない。

 長野日大はPAまでボールを運ぶもそこを崩せず。34分に宮澤のスルーパスからMF白井琢己が右足を振り抜いたが、わずかにゴール左へ外れると、最後まで追撃ゴールを決められないまま試合終了。特に後半、危なげない試合運びを見せた松本一の小林は「去年ここで勝てなくて悔しい思いをした分、今日は勝てて良かった。自分たちのやるべきことをして、チームとして勝てた」と納得の表情で喜んでいた。

 松本一は3年連続のベスト4挑戦で決勝進出。相手の出方を見ながら守備対応する部分に秀で、攻撃面でもカウンター、ポゼッションを使い分けるなど対応力の高いチームになっている印象だ。各選手は2つ以上のポジションをこなすことを求められていると言い、それがまたチームの幅、できることを増やしている。

 吉田監督は「はじめはダメでしたけれど、言ったことがやれるようになりました。実践できるようになりました」と評価。そして、小林が「新人戦の時に競った試合で負けていたけれど、今年の中信大会から競った試合で勝てるようになっている。1-0とかのゲームをモノにできるようになってきているので成長したところかなと思います」と語ったように、勝負強さも身に付いてきている。

 全国まであと1勝。湘南特別指定選手のFW新井光ら強力攻撃陣を擁す前回王者・市立長野高との決勝へ向けて指揮官は「相手に応じてやり方を変えるのがウチのやり方。相手の良いところを消しながら出来れば良い」と語った。この日のように相手の狙いを上手く消しながら、勝負強さも発揮して初となる全国への扉を開く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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