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「毎試合決める」。富山一の10番FW坪井清志郎、インハイは高校からプロ入りへアピールの大会に

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富山一高の注目ストライカー、FW坪井清志郎

[6.4全国高校総体富山県予選決勝 富山一高 4—0 水橋高 高岡スポーツコア]

 富山一高の注目ストライカー、FW坪井清志郎(3年)は自身初の出場となる全国総体へ向けて、「毎試合決めること。個人としてしっかりと活躍してプロになりたい」と強い意気込みを口にした。

 180cm近い高さとボールを失わないキープ力、左右両足から放つ強烈なシュート、視野の広さを活かしたサイドチェンジなど魅力の多いFWは、今年のプリンスリーグ北信越開幕戦でのハットトリックを皮切りに、現在同リーグで7戦連発中。チームの首位に貢献するとともに、個人としてもすでに10得点を挙げて得点ランキング首位を快走している。

 その坪井はこの日、試合開始10秒ほどでいきなり決定的なシュートを打ち込むと、13分にも切り返しから放った右足シュートで会場を沸かせる。また、34分には「大竹もヘディング強いので信頼して裏に抜けたり落ちたりして受けれる位置にいるようにしている」という「強力2トップ」のパートナー・FW大竹将吾(3年)のヘディングでの落としを左足ダイレクトで狙うなどゴールを脅かし続けた。

 そして1-0で迎えた後半2分、相手DFの股間を通すテクニックを見せてドリブルで2人抜き。そのまま左足シュートをゴールに叩き込んだ。相手のキーマンを抜き去って、水橋高を落胆させた2点目のゴール。「混戦なんで必ず相手足出してくる。股抜くというのは頭の中にあるのでそこで落ち着いて相手の動きを見ながらドリブルでゴールまで決められたので良かった」と振り返った坪井はスーパーゴールを祝福する味方からの“歓喜のタックル”を振り払いながら客席まで駆け寄り、控え選手たちと喜びを爆発させていた。

 今は亡きロックミュージシャン、忌野清志郎の名から「清志郎(キヨシロウ)」とつけられたというストライカーは、高校からのプロ入りを本気で狙っている。昨年、早生まれの選手として出場した岩手国体では準優勝した大阪府戦で左足のスーパーボレーを叩き込むなど奮闘。だが、ラストプレーで得た決定機を決めきれず、チームは2回戦敗退となった。

 昨年は国体、選手権というアピールチャンスで十分な結果を残すことができず。「国体も最後笛なる前にオレが外してしまって、選手権も全然自分のプレーを出せずに終わってしまったので、凄く後悔していて、そういうのは繰り返したくないです」。だからこそ、今年こだわっているのは全国で結果を残すことだ。
 
「大きな舞台で自分のプレー出せない過去があったので、繰り返さないようにしたい。高校生レベルだったら絶対にボール取られないで、一つひとつのシュートを決めないといけない。そういうところをもっと高めないといけない」。この日は観衆を唸らせるようなプレーをした一方でミスもあった。それだけにより、一つひとつの質を高めて、アピールの夏に備える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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