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日本vsシリア 試合後のハリルホジッチ監督会見要旨

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前半の内容に不満を示したバヒド・ハリルホジッチ監督

[6.7 キリンチャレンジ杯 日本1-1シリア 味スタ]

 日本代表は7日、キリンチャレンジ杯でシリア代表と対戦し、1-1で引き分けた。

以下、試合後のハリルホジッチ監督会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督
「我々にとって非常にいいテストになった。試合の入りが良くなかったと思う。(香川)真司のケガのあと、我々は自分たちの形ができなかった。今日の試合の入りを考えると、満足できない選手が何人かいる。特に中盤で問題があった。守備でも攻撃でも相手にコントロールされてしまった。守備の面では相手から遠すぎた。攻撃のときは引いてボールを受けに来る姿が多すぎた。前の3枚は開き過ぎて、チームプレーができなかった。ボールを持ちすぎた場面もあった。そのため、我々の本来のゲームがつくれなかった。後半に入ってからは変わった。よりボールを動かすようになり、たくさんの決定機をつくった。後半を見ると、勝利に値する内容だったと思う。しかし、ドローで終わることによって我々にとって警告となるので、それも悪くない。イラク戦というまた別のゲームが待っている。真司に関しては少し心配している。(山口)蛍も打撲を受けている。明日移動があるが、次のゲームに向けてまだ分からない要素がある。いずれにしても、良いテストになったと思う。たくさんのことを試した。たくさんのポイントで得るものがあったと思う」

―前半、良くなかった理由は?
「後半はよりインスピレーションがあり、形も整っていた。私の指示が理解できていなかったのかは分からないが、前半は入りが軽い選手がいた。そうなると代償を払うこともある。相手チームの戦い、プレーの質に驚いていた選手もいた。デュエルが相手のほうが早かったし、予測もできていた。個人プレーに頼ってしまう場面もあった。我々の力を発揮できない前半だった。選手には『満足していない』とハーフタイムに伝えた。いくつかの変更をし、特に形の部分でより細かく指示した。後半は全体が動くようになり、スペースも見つけられるようになった。そうなると全然違うゲームになる。3つ4つの素晴らしい決定機があったが、そこで決められなかったのは残念。しかし、シリアは素晴らしいチームだった。とてもアグレッシブで、スピードもあった。守備で相手に寄せろといつも選手には言っているが、今日は寄せられなかった。修正点、改善点はたくさん出てきた」

―前半のうちに改善できなかったことについてどう思うか?
「なぜ修正できなかったかは選手に聞いてみないと分からないが、相手より5mほど遠いところにいた。私からの指示はまったく違うものだった。しかし、シリアのアグレッシブさと質の高さに驚いた中でそうなったのかもしれない。相手はインスピレーションもモチベーションも高く戦っていた。真司のケガが影響した部分もあるかもしれない。しかし、このゲームでは出場しているのに消えている選手が何人かいた。何人かの選手とはこれから話したい。少し厳しく話さないといけないかもしれない。しかし、これが我々の力であることも考えないといけない。このチームはまだもろい部分がある。つまり、我々が望んでいる姿と本来の姿は違うのかもしれないということを認識する、いい試合だったかもしれない。修正点がたくさんあった。試合に入り込むことができていなかったとすれば、それは問題だ。この時期には移籍の話もあり、このあとのバカンスもあり、それ以外のこともあって、いろんなところに頭がいってしまう。日本はW杯に出場すると言っている人が多いが、私は全員に警告している。そう簡単ではないと。何人かの選手とは話し合わないといけない」

―乾が入ってから流れが変わったように見えたが?
「後半に入ると、まったく違う戦い方になった。ボールが動くようになった。オプションがより多くあった。相手も前半かなりがんばったので、後半はフィジカル的に落ちた。動きや質でチームに良いものをもたらす選手もいた。乾、(本田)圭佑、井手口はいい形で入ってくれた。後半に入ってからは我々がいつも見せているようなプレーをつくることができた。しかし、前半はしっかり分析し、議論しないといけない」

―ケガから戻ってきた今野がゴールを決めたが?
「今日はたくさんのことを試した。今野は2か月間、プレーしていなかった。だからUAE戦のときとは少し違った。もっと早い復帰を期待していたが、今日は60分プレーした。彼は自分のコンディションを取り戻しつつある段階の途中。我々の知っているトップコンディションの彼とは違う。今日は中盤で苦しんだ。守備でも攻撃でも中盤をコントロールすることができなかった。指示とは違った姿になったので、なぜそうなったかをしっかり分析しないといけない。守備では自分のゾーンに入ってきた選手にしっかり寄せろと言っていたが、それとはまったく違う姿があった。悪かったところ、良くなかったところからしっかり教訓を得ないといけない。戦いの部分、メンタル的な部分が100%でなければ、もろい部分が出てきて敗戦につながることもある。

 チームのシステム、形については、勝てばそれがいいシステムになる。うまくいかなかったときはシステムが悪かったのか、選手のハードワークが悪かったのかを見ないといけない。いろんなことが議論された結果、最終的には監督のせいになる。前半には満足していない。ミスがあることはあるし、入り方が良くないこともあるが、戦いが足りない姿があれば、それは問題だ。全員がそろってから我々は戦術トレーニングを一回しかできなかった。こういうことを言うと、また泣き言を言っていると言われるかもしれないが、今日は戦術、形、すべてに失敗した。みなさん、そういうことでよろしいでしょうか。うれしいでしょうか。監督はそういう立場にある。私もチーム内でしっかり議論していきたい」

―イラク戦が行われるテヘランでテロがあったが?
「それについては話は聞いている。私はそういう状況には慣れている。私は紛争などいろんなことを体験してきた。しかし、私はサッカーチームの監督であり、大好きな仕事をしている。我々が今、生きている世界は少し狂っているかもしれない。これが終わる日が来るのかと思い続けているが、今、私が心配しないといけないのはこのチームのこと。正直、そこはあまり心配していない。話は聞いている。しかし、細かいところまでは分からないのであまりコメントはできない。欧州に目を向けてもいろいろひどいことが起こっている」

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