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チームに“火をつけろ”!! 千葉GK山本海、待望の初先発で完封も「何も満足していない」

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移籍後初先発を飾ったジェフユナイテッド千葉GK山本海人

[6.10 J2第18節 千葉0-0福岡 フクアリ]

 ようやく訪れた。今季、神戸からジェフユナイテッド千葉に完全移籍で加入したGK山本海人だったが、J2リーグ第17節終了時点で出場機会はなかった。しかし、首位の福岡を迎えた一戦で、男はスターティングメンバーに名を連ね、ついに今季初出場を飾った。

 出番はなかった。しかし、フアン・エスナイデル監督はしっかりと山本のことを見ていた。「全員準備をしておかなければいけない。そして、海人は常に準備をしていたし、経験もある。彼の動きが一番良いと思ったし、彼に機会を与えた」。そして、山本自身も指揮官はしっかりと自分を見ていると感じていたようだ。

「もっと上を目指して、練習の中でも自分で意識してやっていた。サブでいることは悔しいけど、ちゃんと見られている感じはしていた」。そして、ついにつかんだ先発出場の機会。「チームになかなか結果がついてこなかったので、『もう一度上を向かせる』『火をつける』ことができたらと思っていた」とピッチに立った。

 ハイライン、ハイプレスと独自の戦術を採用するチームにあって、GKは最終ライン裏に生まれる広大なスペースをカバーするため、PA外まで飛び出してクリアを試みる場面が多発する。だが、「裏へのボールを含めて、今日は行くところ、行かないところが冷静に判断できた」と最終ライン裏に蹴り込まれるボールに落ち着いて対応。そして後半に入ると、好セーブを連発して福岡の前に立ちはだかった。

 まずは後半23分、左サイドから切れ込んだFWウィリアン・ポッピに左足シュートを枠内に飛ばされたが、横っ飛びで弾き出してゴールを守る。さらに同26分にはまたもやポッピのシュートを阻むと、こぼれ球に反応したMF三門雄大のシュートもストップし、首位を走る福岡に得点を許さなかった。

「止めるのが仕事なので次も止めたい」。チームに勝ち点1をもたらして安堵の表情を浮かべながらも、満足感はなかった。「自分の中では自信になるし、試合の間隔が空いた中ではよくできたと思うけど、僕らが向かっているのは優勝なので、何も満足していない。これを次につなげないといけないので、1試合で終わらないようにしっかりと締めて次戦いたい」。リーグの頂点を目指すチームに再び『火をつける』ため、次の試合でも出場機会を与えられればゴールを守り抜く。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J2]第18節1日目 スコア速報

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