beacon

失点の数分前から「力が入らなくて…」酒井宏も想定外の途中交代

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF酒井宏樹もアクシデントによる途中交代となった

[6.13 W杯アジア最終予選 日本1-1イラク テヘラン]

 最後の交代枠も想定外だった。前半17分にMF井手口陽介が後頭部を強打し、途中交代していた日本代表は後半27分に同点に追いつかれると、DF酒井宏樹(マルセイユ)がピッチに倒れ込んだままプレーを再開することができなかった。そのまま担架で運び出され、後半32分にDF酒井高徳と交代。同点に追いつかれ、ここから反撃に出たいという局面だったが、アクシデントで交代カードを使い切ることになった。

「痛くはなかったけど、力が入らなくて……。交代枠を1枚使ってしまったのは申し訳ない」。シーズン中から故障を抱える右膝の問題だった。7日のシリア戦(1-1)翌日の練習も同じ理由で回避していたが、失点の3分ほど前から違和感があったという。

「ボールが切れたらしゃがもうと思っていた」が、プレーが切れることなく続き、失点シーンにつながった。「あれだけ集中していても、ああいう失点が起こることはある」。逆境に立たされた仲間をよそにベンチに下がるざるを得なかった右サイドバックは「みんな90分間走り切ってくれて恩を感じる」と、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 1-1の引き分けで勝ち点1獲得にとどまり、2位サウジアラビア、3位オーストラリアと勝ち点1差で直接対決2連戦に臨むことになった。ただ、8月31日のオーストラリア戦(埼玉)に勝てば、最終節を待たずに6大会連続のW杯出場が決まる。

「シンプルに勝つしかない。ホームなので、勝って最高の形でW杯に行きたい」と力説する酒井宏は「チームが一つになって上がっていくしかない。これだけ苦しんで(W杯出場を)決めたらチーム力も上がる」と、あくまで前向きに話した。

(取材・文 西山紘平)

●ロシアW杯アジア最終予選特集
●ロシアW杯各大陸予選一覧

TOP