beacon

欠いた決定力と戦術的対応力。U-16日本代表、オランダに痛恨の逆転負け

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-16日本代表のMF岩本翔がオランダ守備陣に仕掛ける

[6.14 JFAインターナショナルドリームカップ第1戦 U-16日本代表 1-3 U-16オランダ代表 ユアスタ]

 6月14日、「U-16インターナショナルドリームカップ2017 JAPAN presented by 朝日新聞」の第1戦がユアテックスタジアム仙台にて行われ、U-16日本代表はU-16オランダ代表と対戦。FW栗原イブラヒムジュニア(三菱養和SCユース)のゴールで先行したが、後半3失点の逆転負けを喫して黒星スタートとなった。

 4-4-2の布陣で臨んだ日本の先発オーダーはGK鈴木彩艶(浦和ジュニアユース)、DFが右から川本梨誉(清水ユース)、半田陸(山形ユース)、馬場晴也(東京Vユース)、橋本柊哉(市立船橋高)、中盤が右から西堂久俊(市立船橋高)、山本理仁(東京Vユース)、岩本翔(G大阪ユース)、谷本駿介(C大阪U-18)と並び、栗原と斉藤光毅(横浜FCユース)が2トップを組んだ。

 開始15分までは完全に日本ペース。前線からのプレッシングで相手のビルドアップを完全に主導権を握る。15分には前からの守備がハマってDFからボールを奪った栗原が落ち着いてゴールネットを揺らし、早くも先制に成功する。

 以降も日本が優勢に試合を進め、シュート数7対4という数字通りの内容で押し込んだ。オランダのファン・デルフェーン監督も「前半は日本のモノだった」と認める内容の差があった。だが、40分、43分と左右のクロスに栗原が頭で競り勝つ決定機などが決まらず、雲行きは怪しくなっていく。

 さらに流れを変えたのは、後半開始からのオランダのシステム変更だった。4-3-3の伝統的フォーメーションから「中盤を菱形にした3-4-3」(ファン・デルフェーン監督)に変えて、日本の4-4-2からのプレッシングを回避しにかかる。この交代によって2CBで2トップの追い込みを受けていたディフェンスラインに余裕が生まれたオランダは、中盤で日本のゾーンの間にポジションを取るようになったMFを上手く使いながら日本のプレッシャーをはがしにかかった。

 ドルトムントへの移籍が内定しているというMFフェライを軸にボールを動かし、ピッチの幅を使った攻めが冴え始める。こうなると、急造チームということもあって戦術的対応力も欠いた日本が、「左右に振られて個々がさらされる状況になった」(森山佳郎監督)のも必然だった。

 後半27分、フェライが起点となる攻撃から交代出場のMFサマーヴィルにゴールを許すと、後半31分にはクリアボールのこぼれ球をフェライに蹴り込まれて逆転を許してしまう。ここから日本は選手交代から意識を攻勢に傾けるが、後半38分にオウンゴールから決定的な3点目を許して、万事休す。1-3のスコアで敗れ、2年ぶりの優勝を目指した大会で敗戦スタートとなってしまった。

(取材・文 川端暁彦)

TOP