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ここまで1得点の昨季2部得点王・東京国際大FW町田ブライト、今季は“最強の囮”に

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[6.18 関東大学1部L第10節 桐蔭横浜大1-3東京国際大 味フィ西]

 昨季16ゴールで2部得点王に輝いた東京国際大のFW町田ブライト(3年=成立学園高)。得点能力でチームを牽引し2部優勝、そして1部昇格の原動力として大きく貢献した。

 しかし今季の町田は第7節・専修大戦(2-0)の1ゴールのみ。その点について前田秀樹監督は「2部得点王の実績も含め、激しくマークがつくようになった」とエースの実情を語る一方、「逆に守備を引き付けることでうまく周りを生かし始めている」と町田の変化を語った。

 激しいマークに遭うために思うように動けない。そのための解決策として町田は言う。「いつも裏を突け、裏を突け、と言われているので、それを意識しながら最前線では溜めをつくっています。みんなが前に上がれる時間をつくれば、勢いよくカウンターもできるので。それがうまくいったかなと思います」。

 この試合でも最前線で強靭な身体を生かし、相手センターバックを引き付ける。深い位置で縦パスを受けることで、FW進昂平(4年=浦和ユース)ら攻撃陣が中盤で動けるスペースができ、前を向いて攻撃を展開していった。 

 すると前半15分、後方からのフィードを受けようとした町田に対し、相手守備が激しく当たりFKを獲得する。「本当は競ったつもり」で得たFKをMF安東輝(4年=浦和ユース)が冷静に右足で決め、先制点を獲得した。

 町田は「うちの長所であるセットプレーからの得点。ファウルをもらえてラッキーなところを、輝くん(安東)がうまいので。決めてくれてよかったです」と謙虚な姿勢。しかし前線でのFK獲得は町田の良さを最大限生かした結果であり、前田監督も「ブライトへの縦パスが効果的だった」と振り返った。

 強豪ひしめく1部リーグで昨季2部得点王はその看板を生かし、“最強の囮”になった。チームも3位に浮上し、勢いに乗ってきている。しかし昨季との得点のギャップは大きく、本人も「もちろんゴールはほしいです……今後はもう少し積極的に打っていきます」とストライカーらしい本音を覗かせた。

(取材・文 石川祐介)
●第91回関東大学1部L特集

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