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U-20代表候補・桐蔭横浜大ルーキーMF鳥海芳樹、3戦連続で得点に絡むも「チームの勝利が一番大事」

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[6.18 関東大学1部L第10節 桐蔭横浜大1-3東京国際大 味フィ西]

 直近2試合で2連勝していた最下位・桐蔭横浜大だが、東京国際大に1-3で敗れた。チームは3戦ぶりの黒星を喫したものの、高校選抜やU-20代表候補にも選出されたMF鳥海芳樹(1年=桐光学園高)がドリブル突破からFW石川大地(4年=水戸啓明高)の得点をアシスト。注目ルーキーが今季2アシスト目で存在感を発揮した。

 両チームでただ一人1年生ながら先発した鳥海は、ルーキーらしさを微塵も感じさせず、積極果敢に仕掛けていく。前半33分、FKのこぼれ球を拾い、石川とワンツーを交わし、一気にスピードアップ。右サイドからグラウンダーパスを送り込むが、PA内中央に走るMF山下優人(3年=青森山田高)には合わず、得点にはならない。

 「決定的な場面をつくれてはいたけど、決め切れなかったのが課題」と反省した鳥海だが、2失点して迎えた前半42分、華麗な個人技で嫌なムードを払しょくする。

 桐蔭横浜大の攻撃はPA内左でボールを奪われるが、相手守備陣がもたついたところを「攻守の切り替えを早くと言われていた」鳥海がすかさず奪い返す。そのままPA内左からドリブルを仕掛け、滑らかな連続ダブルダッチで守備陣2人を抜き去り、体勢を崩しながら右足シュート。最後に石川が押し込んで1点を取り返した。

 一矢報いた桐蔭横浜大だが、その後は力及ばず再び失点し、1-3で敗戦。「自分の持ち味であるドリブル突破からゴールにつながったのはひとつ自信になりましたけど、チームの勝利が一番大事なので」とルーキーは悔しさをにじませた。

 4試合連続で先発出場している鳥海は前々節・順天堂大戦(2-1)で大学初アシスト、前節・法政大戦(4-1)で大学初得点を決めており、3試合連続で得点に絡んだことになる。「判断のスピードが高校と大学で一番違うところ。自分はロストが多かったんですけど、判断を間違えないように意識したら結果が出せるようになった」と冷静に手応えを口にした。

 高校選抜でのドイツ遠征、そしてU-20代表候補合宿ではU-20アメリカ代表とも対戦し、「世界との差は縮まってきている」と実感する。「ただ代表のクオリティを大学で続けないと成長はできないので、そこは1年生でも関係なく、自分がみんなに浸透させていきたい」と自らの経験をチームの糧に変えていくと誓った。

 桐蔭横浜大は前期最終節で勝ち点2差の11位・慶應義塾大と対戦する。「慶大も勝てていない相手なので、下位対決は絶対に勝ち点3を取りたいです」。ようやく軌道に乗り始めたルーキー・鳥海が最下位に沈むチームの起爆剤になっていく。

(取材・文 石川祐介)
●第91回関東大学1部L特集

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