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“スーパーエース”の10番受け継ぐ鹿島学園MF橋口、「自分がそういう選手になれるかが大事」

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右サイドを突破する鹿島学園高MF橋口凛樹

[6.21全国高校総体茨城県予選決勝 鹿島学園高 2-0 鹿島高 ひたちなか陸上競技場]

 鹿島学園高は昨年、全国高校総体で2勝し、3回戦で敗れたものの、同年2冠の青森山田高と好勝負を演じた。その唯一の経験者が、今年10番を背負うMF橋口凛樹(3年)だ。

「去年はキャプテン、副キャプテンがしっかりとチームをまとめてくれていたし、監督が言っているポイントポイントをしっかりと浸透できていたから勝ち進めていたと思います」と橋口。今年は、まだそのレベルに到達できていないと感じているが、個々が持つ力は昨年と変わらないと感じている。

 昨年は絶対的エース、FW上田綺世(現法政大)の力が大きかった。総体予選では5試合で7ゴールを叩き出し、選手権予選も4試合7ゴールで夏冬全国出場に貢献。常に結果を残し続けていた。昨年との差となっている部分の一つを埋めるには、上田から10番を受け継いでいる自身の成長が必要。先代の10番と比較されることが多いという橋口は、「(昨年は上田という)“スーパーエース”がいた。自分がそういう選手になれるかが大事になってくると思う」と成長を誓った。

 橋口は元々FWだが、今年はプリンスリーグ関東で負った負傷から復帰後、SHへポジションを移している。鈴木雅人監督が「(突破に)ぐっというパンチがある」と評するMFはこの日、前半半ばからギアを上げ、小さな局面を打開するドリブルとコンビネーションで右サイドを突破。クロス、シュートへ持ち込んだ。

 そして、後半16分には左サイドを抜け出したFW富岡大智(3年)のラストパスをGK前でコントロールしてゴール。鹿島高にやや押し込まれる時間帯の中で決めたゴールを「チームに得点という形で貢献出来て良かった」と喜んだ。

 昨年は上田の隣でその凄みを感じてきた。「去年の綺世くんのようになりたい。ゴールに対する嗅覚だったり、シュートに対するセンスだったりはずば抜けてすごかったし、そういうところを自分も出していきたい。自分はドリブルが好きなので、サイドで仕掛けてそのままシュートやクロスを出していきたい」。今後は組み合わせによってFWでの起用もありそうな新10番。SH、FW、どちらでもゴールをもたらして、チームを高みへ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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