beacon

昨年は初出場で全国3位、経験、新たな力加えた今年はマーク打破して頂点へ!昌平が6-0で全国切符獲得!:埼玉

このエントリーをはてなブックマークに追加

6-0と強さを見せつけて全国出場を決めた昌平高イレブン

[6.24全国高校総体埼玉県予選準決勝 昌平高 6-0 浦和学院高 埼玉スタジアム第3G]

 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技への出場権2枠を懸けた埼玉県予選は24日、準決勝を行った。昨年度全国4強の昌平高と98年度以来となる全国出場を狙った浦和学院高との一戦は昌平が6-0で快勝。2年連続2回目となる全国総体出場を決めた。

 今年、新人戦、関東大会予選2冠の昌平とFC東京特別指定選手のFW田中和樹(3年)を中心に攻撃力有する浦和学院との注目対決。前半の3得点によって浦和学院の勢いを完全に止めた昌平が堂々の勝ちっぷりで全国出場を決めた。

 立ち上がりは相手の注目エース田中を「警戒してDFラインが下がりすぎた」(昌平・藤島崇之監督)。空いたスペースを使われて田中に走られ、クロスに飛び込まれるシーンもあった。

 だが、藤島監督が「自分たちで修正することができる」という今年の昌平は自分たちで改善点を修正。そして、序盤から圧倒的にボールを保持した昌平はボランチの位置からドリブル、パス交換で縦へ切れ込んでくる注目MF山下勇希(3年)や絶妙なターンからスルーパスを配球したMF渋屋航平、MF原田虹輝(ともに2年)を中心に中央、サイドから連続攻撃を繰り出す。

 浦和学院GK大橋裕史(3年)の好セーブに阻まれるシーンもあったが、攻撃の手を緩めることなく攻める昌平は前半25分、中央から渋屋、山下、FW佐相壱明(3年)が角度をつけた連続のショートパス。バイタルエリアを打開すると、最後はPAに侵入した左MF古川勇輝(2年)が左足シュートを決めて先制した。

 浦和学院もFW齋藤雅之(3年)や怪我を抱えながらも凄みあるプレーを見せていた田中が一発のあるところを示していた。だが、昌平に完全に押し込まれ、セカンドボールもなかなか拾うことができず、苦しい展開に。逆にわずかな隙を逃さない昌平は38分に渋屋が豪快な右足ミドルをゴールへ突き刺すと、40分にも左の古川からパスを受けたMF高見勇太(3年)が右足シュートを決めて3-0とした。

 昌平は後半15分にも左SB堀江貴大(2年)が単独で左サイドをこじ開けてラストパス。これをニアサイドへ飛び込んだ佐相が1タッチでゴールへ沈めて4点目を奪う。さらに、19分には古川が左足ミドルを突き刺して5-0。浦和学院も終盤、開き直ったかのようにプレー強度が上がり、交代出場のMF高橋航大(2年)らが仕掛けを見せるが、ゴールを奪うまでには至らない。一方、昌平は36分にもMF伊藤雄教(2年)のドリブルを起点に、この日圧倒的な運動量でアップダウンしていた右SB塩野碧斗(3年)がクロス。これを交代出場MF森田翔(2年)が頭で決めて6-0で大勝した。
 
 浦和学院の森山泰行監督は「もっと前から行って欲しかったですけれど、行けなかった。もっと最初から不細工でも良いから行けば良かった」と残念がった。全国出場を懸けた大一番で前に出られず受けに回り、前半終了間際の連続失点など要所で差をつけられた浦和学院に対し、主将のCB石井優輝とGK緑川光希(ともに3年)、山下、右SB塩野、CB関根浩平(2年)と昨年の全国経験者5人を残す昌平はその経験値と、修正する強さ、相手の守りをこじ開ける強さも示して完勝をしてのけた。

 昌平はこれまでは攻撃がややサイドに集中していたというが、「外に警戒が行けば一気に中に行ける」(藤島監督)という共通理解の下、中央をこじ開けて先制点を奪い、外からの崩しでも3得点。素晴らしいミドルシュートも決まるなど反省点を改善しながら、大会の中でも成長を遂げている。

 次は全国。初出場だった昨年は3連覇を狙った東福岡高に3-2で逆転勝ちし、名門・静岡学園高に1-0で勝利するなど準決勝へ進出した。だが、今年はノーマークの中勝ち上がった昨年とは違い、関東大会を制すなど、対戦相手に警戒される中での全国総体となる。その中で「今年は打破して上でできるように」と藤島監督。そして山下は「去年3位に終わって誰も満足していない。ここは狙えるかなと思う。みんなで意識高くやっていきたい。去年は市船に負けているので、そこはリベンジしたいです。(25日の決勝で浦和西高に勝って埼玉1位で出場するとシードのため、準決勝以降での対戦となるが)そこまで勝ち上がります」と言い切った。

 MF針谷岳晃(現磐田)やMF松本泰志(現広島)がいた昨年にはなかった経験値や新たな強さを持つ昌平。この日、代表決定戦で6-0快勝を収めたチームは、全国大会までの1か月間でビルドアップやシュートなど細かい精度の部分などの課題を修正し、より強くなって全国制覇に挑戦する。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

TOP