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[MOM2150]昌平MF古川勇輝(2年)_ボランチで関東大会V、今度は左SHで躍動の注目レフティー

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前半25分、昌平高MF古川優輝が左足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.24全国高校総体埼玉県予選準決勝 昌平高 6-0 浦和学院高 埼玉スタジアム第3G]

 ボランチでも、SHでもどちらでもイケる。昌平高は台頭中の2年生MFが2得点の活躍。大一番で大いに存在感を発揮した。左MFとして先発した古川勇輝(2年)は前半25分、中央からの崩しの中でPAへ潜り込むと、FW佐相壱明(3年)のラストパスを左足で決めて先制ゴール。さらに40分には左サイドから左足でラストパスを通してMF高見勇太(3年)のゴールをアシストする。

 そして後半19分にはCKのこぼれ球から「自分でもなかなかない」という左足ミドルをゴール左隅に突き刺して2点目をマークした。この日は、左サイドを個でこじ開ける突破力と、周囲を活用する巧さを披露。「大事なときに点取れる選手だったり、仕事できる選手というのがこれから使われていく選手だと思う」と話す背番号14は全国出場を懸けた大一番で見事に結果を残して見せた。

 関東大会予選は大宮ジュニアユース時代も努めていた右SH。その後、関東大会では司令塔のMF山下勇希(3年)が怪我していたこともあってボランチとしてプレーしたが、直前の埼玉県1部リーグでテストされた際には納得の行くプレーができなかったという。「ビデオ見てこれじゃあ怖さがないと思って。関東大会では前へ行く意識を持ってやったら3試合で3得点。自信になりました」。関東制覇に貢献した古川は同大会の大会優秀選手にも選出された。
 
 その前に行く部分、思い切りの良さ、そしてボランチを経験したことでより広がった視野の部分をこの日は左サイドで発揮。「自分の強みはタイミングのいい動き出しや、受ける前の判断だったりとか常に見る意識していること。飛び込んでくるようだったらワンツーでかわしたり、そういうプレーは得意かなと思います」というMFは新たなポジションでも質の高いプレーで勝利に貢献できることを証明した。

 昨年、SHで14番を背負い、今年はボランチで抜群の存在感を示している山下は後任の14番について「自分でも外せるし、左利きで相手もやりづらいのかなと思う。ドリブルでも行けるし、左サイドバック(堀江貴大)もアルディージャなんですけど良い連係が取れている。チームとしても強みですね」と評した。

昨年、ボランチのMF針谷岳晃(現磐田)から学んで成長した山下のように、古川は「配球力やボールをとられない身体の使い方だったり見習うことばかり」という注目MF山下のプレーから学びながら、飛躍を遂げるか。本人は大宮ジュニアユース時代は出場機会が少なかったというが、今やボランチ、そしてゴールへの魅力を感じているというSHのどちらでもブレイクの可能性大。「自分の活躍よりもチームの勝利」と誓う全国大会でチームの勝利に貢献して、自身の価値も高める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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