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[プレミアリーグEAST]柏U-18が市立船橋撃破!“トップチームのように”良いサイクル継続してV争いへ

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後半11分、柏レイソルU-18はMF正田徳大が2点目のゴールを決めてガッツポーズ

[7.1 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 柏U-18 2-0 市立船橋高 日立柏総合G]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEASTは1日、第7節1日目の2試合を行い、柏レイソルU-18市立船橋高との千葉県勢対決は柏U-18が2-0で勝利。開幕戦以来の白星を飾った柏U-18は2勝3分2敗、一方の市立船橋は依然未勝利で2分5敗となった。

 今季、内容の良い試合もありながら、なかなか結果がついて来ない両チームによる一戦。柏U-18の永井俊太監督は「ここで勝つか、負けるかでは全然違う」と語っていたが、ともに好転するきっかけが欲しい中で迎えた“千葉ダービー”だった。内容については互いに前向きなものが多い試合に。その中で、結果も手にしたのは柏U-18の方だった。

 前半、市立船橋が相手の様子を見てやや引いて試合に入った部分もあったが、「(結果が出ない間)一つ一つ積み上げるものを続けてきました。ただ、アタックの回数は増やしたかった」(永井監督)という柏U-18がボールを支配して攻め続ける。終始余裕あるプレーを続けていたU-19日本代表SB田中陸(3年)が右サイドからのワンツーで中へ切れ込み、豊富な運動量で攻め上がるU-18日本代表左SB宮本駿晃(3年)や左MF落合陸(3年)が縦のスペースを突くなど外、中から相手の守りを攻略しようとした。

「ゴールを獲れていないですが、前半は狙い通りに行った部分が多かった」(永井監督)という柏U-18に対し、市立船橋は守備面に関しては穴が無かったが、ビルドアップで狙い、テンポがズレている部分があり、最終ラインから不用意にロングボールを蹴ってボールロストしてしまう場面も散見していた。

 FW福元友哉(3年)との連係で攻め上がったU-18日本代表SB杉山弾斗主将(3年)がクロスへ持ち込むなど良い形もあったが、リズムに乗り切れない市立船橋に対し、相手DFラインへのプレッシングからU-17日本代表FW森海渡(2年)がボールを引っ掛けるなど守備もハマっていた柏U-18は32分、右CKをファーサイドで折り返し、最後はCB杉井颯(2年)がヘディングシュート。だが、市立船橋はGK長谷川凌(3年)がファインセーブでこれを防ぐと、3連続CKを凌いで無失点のまま試合を進める。

 また、市立船橋は前半30分頃からマイボールの時間を増やし、ミスが起きてもセカンドボールを拾って焦れずに攻め続けていた。そして後半2分には左サイドのスペースを突いたU-17日本代表MF井上怜(2年)のクロスのこぼれを右SB吉田歩未(3年)が決定的なシュート。だが、直後の6分、柏U-18が先制する。右クロスから落合がヘディングシュート。ゴール右へこぼれたボールにFW森が反応すると、最後はゴールエリアにこぼれたボールをMF加藤匠人(3年)が頭で押し込んだ。

 すぐに反撃に出た市立船橋は7分にFW福元が抜け出したが、これは距離を詰めた柏U-18のU-18日本代表GK猿田遥己(3年)がビッグセーブ。10分にもハイプレスでボールを奪い、前線で危険な存在となっていた福元が左足シュートを打ち込んだ。だが、市立船橋に傾きかけていた流れの中で柏U-18が2点目を奪う。11分、中盤でボールを奪うと、加藤のパスで落合が左のスペースを突く。そして、DFの股間を通す技ありのラストパス。これを右MF正田徳大(2年)が1タッチでゴールへ押し込んで2-0とした。
 
 その後、市立船橋はパワーを持ってゴールへ迫る。14分、福元が強引にCBを振り切ってシュートまで持ち込み、16分にはMF有田朱里(3年)がDFを外して決定的な右足シュート。25分には杉山の左FKをファーサイドの福元がダイビングヘッドで合わせる。柏U-18が守りに意識が傾いていたこともあったが、ボールを支配し、ショートカウンターも効いていた市立船橋があわやのシーンを作り続けた。

 だが、前半にボールを奪いきれずに走らされた部分が響いたか、市立船橋は勝負どころに入る前に足を攣らえる選手が続いて出てしまう。また、決定機は作っていたものの、決め切ることができない。要所を欠いて今季続いている惜敗となった市立船橋に対し、終盤は柏U-18が逆に決定機を連続で作り返して2-0で押し切った。

 柏U-18は前半から押し込み続け、後半立ち上がりに連続得点。終盤は逆に差し込まれていたが、猿田やU-18日本代表CB中川創主将(3年)、杉井中心に耐えて守りきった。約1か月半の中断期間明けとなった前節の浦和ユース戦は後半アディショナルタイムに追いついてドロー。そしてこの日、同県の強豪対決を制した。チームには良いサイクルが出来つつあるのだという。

 主将の中川は「ここ何週間かプレミアの中断期間も含めて練習の中身とかも凄いいい雰囲気でやれていて、この間のレッズ戦のハーフタイム終わった時もみんなの顔が生き生きしていて今までと違う雰囲気だと自分も感じていました。選手一人ひとりの自信もついて、集中するモードは前と変わっています。勝って反省して、また勝って反省してという今のトップじゃないですけど、そういう良いサイクルを今後も続けて行けるように。毎日の練習がこういう試合に結びついてくると思うので、練習の雰囲気も内容も落とさずにやっていけたらいいと思っています」。

 自分たちもJ1で首位に立つトップチームのようなサイクルを続けていくこと。今月開幕する日本クラブユース選手権での日本一獲得はもちろん、プレミアリーグの優勝も狙って巻き返していく。まずは白星を掴んだ後の一週間が大事。トレーニングで積み上げて、自信を持って次節を戦い、また勝利する。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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