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[プレミアリーグEAST]後半ATに大逆転!清水ユースが青森山田との1位2位対決制して首位奪取!

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清水エスパルスユースが首位奪取

[7.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 青森山田高 2-3 清水ユース 青森山田高G]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEASTは9日に第8節を開催した。首位の青森山田高(青森)と2位の清水エスパルスユース(静岡)による首位決戦は、FW平墳迅(3年)の決勝点によって清水ユースが3-2で勝利した。

 終始、相手を追いかける苦しい展開ながらも、最後まで走り切った清水ユースが「サッカーの醍醐味」(平墳)と言えるエンディングを引き寄せた。序盤から主導権を握ったのは、清水だった。ボランチの吉田峻(3年)の散らしや最終ラインからのビルドアップでテンポよくパスを繋ぎながら、積極的に後方からの飛び出しを引き出し、青森山田を押し込んだが、「最後まで綺麗にパスを繋ごうとし過ぎた」(平岡宏章監督)ことが仇となり、フィニッシュまで持ち込めない場面が続いた。

 守備でも危ない場面は皆無だったが、前半23分には自陣でのパスをMF田中凌汰(3年)に奪われるピンチ。青森山田は素早くゴール前に通したパスをフリーのFW中村駿太(3年)が左隅に決めて先制した。ここからはきっちりワンチャンスを物にした青森山田の勢いが加速。29分には右サイドを上がったDF鍵山健司(3年)のクロスを中村がダイビングヘッドで合わせたが、クロスバーに阻まれた。

 後半に入ってからも、青森山田の攻勢は衰えない。2分にはサイドチェンジから左のMF檀崎竜孔(2年)がクロス。ゴール前のMF郷家友太(3年)が胸で落としたボールを中村が合わせたが、DFがブロック。以降も、青森山田がチャンスを作ったが、「調子は良かったのに、不本意な形で続けることができなかった」と黒田剛監督が悔んだように、足をつる選手が続出し、勢いが低下していく。

 逆に後半から調子を上げたのは、清水ユースのFW滝裕太(3年)と平墳。押される時間が増えたのはむしろ好都合で、仕掛けるスペースができた分、「カウンターになると2トップは速さがあるので、活きてくる」(平岡監督)。11分には自陣で奪ったボールが滝の下に渡ると、ドリブルで相手陣内を独走。ゴール前でGKを引き寄せてパスを送り、最後は平墳が仕留め、同点に追いついた。

 ここからは、「1点獲れば流れが変わる」という平岡監督の読みが的中し、再び清水が攻勢に。28分には、滝のシュートがMF鈴木魁人(3年)の足に当たり、ボールがGKの脇を抜けたが、懸命に戻ったMF瀬尾純基(3年)に阻まれ、追加点は奪えなかった。

 36分には、郷家にヘディングシュートを決められ、再び追いかける展開となったが、それでも清水は諦めない。アディショナルタイム突入後の47分に左CKをDF鳥居大人(3年)が頭で合わせて、再び追いつくと、51分には滝のパスを受けた平墳がこの日、2点目を決めて逆転に成功。アディショナルタイムに2点を奪った清水が劇的な逆転勝利を達成した。

「こういう苦しい試合を勝てるかどうかが優勝争いを残っていくためには大事だと思っていた」と滝が振り返る天王山をきっちり制し、首位に再浮上。第1クールを無敗で過ごしながらも、第2クールに入ってからは、1分1敗と勢いが低下していただけに、悪い流れを払拭する意味でも価値ある一勝になったのは間違いない。平岡監督が称えるのは、「最後まで諦めずに戦った結果が勝利に繋がった」と話したように試合に対する姿勢。2点を奪い、この日のヒーローとなった平墳は「仲間を信じて最後まで走れば、結果がついてくると学べた」と収穫を口にした。前期も残り1試合。「最後笑って終われる悔いがない一年にしたい」(鈴木)という目標に近づくためにも、勝って首位キープを狙う。

(取材・文 森田将義)
●2017 プレミアリーグEAST

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