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[MOM2156]市立船橋GK長谷川凌(3年)_ PKストップ!注目の191cm守護神はチームを「勝たせるGK」へ

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市立船橋高の注目GK長谷川凌はPKを止めるなど勝ち点3奪取に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 市立船橋高 1-0 京都U-18 グラスポ]

 勝敗を左右したビッグセーブ。注目GK長谷川凌(3年)が、市立船橋高の窮地で輝きを放った。0-0の後半2分、市立船橋は京都U-18のU-17日本代表MF上月壮一郎をPAで倒してしまい、PKを献上。開幕から7戦未勝利の市立船橋の姿からは「またか」という重い空気が漂っていた。

 だが、伊藤竜一GKコーチが「ああいうところで止める」という長谷川がその空気を一変させる。上月は狙い通りに左隅へ蹴り込んだように映った。だが次の瞬間、市船の背番号1の右手が完璧に捉えて、ボールはゴール外へ。「賭けに出たというか。雰囲気で自分の考えていたところに蹴らせることができたかなと思います。あそこは自分を魅せる場面。魅せることができた」という長谷川は駆け寄った仲間たちとハイタッチでビッグプレーを喜んだ

 その長谷川はミスの無い安定したプレーを続けると、後半終了間際に訪れたピンチでもU-17日本代表MF福岡慎平の決定的な左足シュートを身体全体でストップ。京都U-18の終盤の猛攻を封じてチームに勝ち点3をもたらした。

 191cmの長身を持つ大器、長谷川は昨秋から名門の守護神に。選手権全国大会は2回戦で敗退したが、1得点も奪われなかった。今や、年代別日本代表スタッフも注目するGKだが、今季はプレミアリーグの序盤戦でチームを勝たせることができず、先発落ちも経験。「自分を見つめ直す時間もあった中で考えて、自分が何を求められているのか考えてはっきりとしてきた。去年から出ているのもありますし、自分がもっと引っ張っていかなければいけない、と」。数少ない昨年からのレギュラー。リーダーにならなければならないと自覚を持って自身を変化させてきた。

 同時に、大型選手の弱点と見られがちな足の動き、FWとの距離を詰める動作などの改善を意識。それでもなかなか結果は伴わなかったが、J1クラブへ練習参加して足元の部分や手の位置などの課題を再確認し、貪欲に吸収、またリーダーとしてチームを勝たせることを目指してきた中で一つ結果を残した。

 これまでGKで勝ち点を落としたような試合もあった中で伊藤GKコーチは「GKが勝たせた試合」ができたことを喜んだ。長谷川自身も「この間のレイソル戦やアルディージャ戦もGKが止めていれば勝てたので、ずっとやってきて今日こういう結果が残せて良かった。GKが勝たせられる試合が増えたらいい。自分が点数与えなければ勝ち点をどんどん積み上げていけるので、そういうチームを救えるようなプレーヤーになっていきたいと思います」と頷いた。

 まだまだチームの巻き返しはこれから。長谷川は好プレーをした後、調子に乗ってしまう性格をたびたび指摘されるだけにしっかりと切り替えて次の試合へ向かう。プレミアリーグの次節(前期最終節、対横浜FMユース戦)の後にはインターハイが控える。昨年、優勝したインターハイでは登録外。今年は「優勝目指して頑張りたい。GKから勝たせていけるように」という思いを持って、自身初となる夏の全国に挑む。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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