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[プレミアリーグEAST]SBも経験して変化した市船期待のアタッカー、MF有田が決勝ゴール

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後半6分、市立船橋高はMF有田朱里が決勝ゴール

[7.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 市立船橋高 1-0 京都U-18 グラスポ]

 市立船橋高にプレミアリーグ今季初勝利をもたらす決勝ゴール。悔しい思いをしながらも努力を続け、信頼を勝ち取ったMF有田朱里(3年)が大仕事をしてのけた。

 0-0の後半6分、市立船橋は左サイドからFW松尾勇佑(2年)が豪快な突破。PAに侵入してからもスピードを落とさず、強引に縦へ割って入ると、そのラストパスをゴールエリアに詰めていた有田が右足で合わせて先制点を奪った。
 
「松尾がシュート打てなくてもこぼれたりするかなと。その前に松尾が突破してくれると思っていたので、自分は決めるだけのところに入れて決めきることができた」。勢い余ってゴールライン内側まで足を踏み入れていた有田は右手を突き上げると、その後アシストした松尾をはじめ、チームメートたちと次々と抱擁を繰り返して値千金のゴールを喜んだ。

 4-5-1システムの2シャドーの一角に位置する有田は前半からバイタルエリアで上手くボールを引き出すと、中央突破やサイドへの展開で攻撃のポイントに。だが、37分にFW福元友哉(3年)のスルーパスで抜け出しながら、焦って放ったループシュートをGKにキャッチされてしまうなど、3度のシュートシーンを決めきることができていなかった。

 それでも勇気を持ってプレーし続けることができたのは、苦しい時期を含めて支えてくれた仲間たちの存在が大きかった。下級生時から期待されていた有田はなかなか結果を残すことができず。また「課題である際のところで毎回注意されていて、改善できていなかった」ために昨年のインターハイでメンバー落ちするなど信頼を勝ち取ることができていなかった。

 それでも今年はSBも経験しながら守備意識を高め、再び戻ったアタッカーのポジションでチームのために前からプレッシャーに行く部分や、積極的に仕掛ける部分を発揮するなど先発に定着するまでになった。辛かったという時期も乗り越えて残した結果。「(自分が苦しい時期に)仲間が凄く励ましてくれて、きょうも外しても連続でやり続けろと凄く励ましてくれて、仲間に助けられているなと思います」と有田は自身を支えてくれた仲間たちに感謝していた。
 
 決勝ゴールでチームに大きな1勝をもたらした有田は、ここから仲間たちとともに勝ち点を重ねることを誓う。「まず1勝できたことは嬉しい。次の試合も勝てるように、良い準備をしていきたい」。元々攻撃力はチームトッププラス。朝岡隆蔵監督も「やっと彼が一皮剥けてきた」と評する有田がチームにとってより欠かせない存在になって、一つでも多くの勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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