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[プレミアリーグEAST]「これから継続できるように」浦和ユースが開幕戦以来となる白星!

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後半アディショナルタイム、浦和レッズユースFW長倉幹樹が2点目のゴールを決め、そのままタイムアップ

[7.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 浦和ユース 2-0 横浜FMユース 浦和駒場]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ EAST第8節が9日に行われ、9位・浦和レッズユース(埼玉)対8位・横浜F・マリノスユース(神奈川)戦はFW長倉幹樹(3年)の2ゴールによって浦和ユースが2-0で勝った。開幕戦以来となる勝利で2勝2分4敗とした浦和ユースは7位浮上。一方、横浜FMユースは1勝3分4敗で9位へ後退している。

 ともに高円宮杯優勝の歴史を持つ両チームだが、プレミアリーグではこれが初対戦。浦和ユースはMF井澤春輝、横浜FMはMF山田康太主将、MF堀研太(全て3年)とそれぞれU-18日本代表を欠く中で行われた試合は3バックを敷いて守備的に試合に入った浦和ユースを横浜FMユースが押し込む形となった。

 横浜FMユースは最終ラインからの組み立てにMF藤田一途(3年)やMF土佐陸翼(2年)が絡みながらボールを前進させ、FW山谷侑士(2年)が仕掛けも見せるが、U-19日本代表CB橋岡大樹主将(3年)やU-17日本代表CB大桃伶音(2年)を中心とした浦和ユースの守りは堅い。特に前日練習から3バックの中央に入ったという大桃が声を張り上げながら気迫の守り。「ブロックを固められて上手く崩せなかった」と西谷冬樹監督も振り返った横浜FMユースは攻撃の連動性も発揮しきれず、攻めあぐねてしまった。

 一方、浦和ユースの大槻毅監督は「本来は前からやっていく。非常に悔しかったと思うけれど選手たちは理解してやってくれた」。アグレッシブに前から行くサッカーが特長の浦和ユースだが、選手も、スタッフも白星を勝ち取ることを第一に考え、まずは相手にストロングポイントを出させないことを意識して試合に入り、守備を徹底する。

 運動量多く相手のスペースを消していたMF白土大貴とMF佐藤陸人(ともに2年)のダブルボランチや粘り強い守りを見せていたDF大城蛍(2年)、また前線の選手含めて集中力を欠かさずに守り、しっかりとゼロで試合を進めた浦和ユースは数こそ多くなかったものの、10番MFシマブク・カズヨシ(3年)が攻撃のポイントとなり、U-17日本代表の右MF池高暢希(2年)がクロスを上げきるなど相手ゴールを脅かすようなシーンも作った。

 後半立ち上がり、MF塚田裕介(3年)を起点とした攻撃から横浜FMが先にチャンスを作ったが、前半に比べて前への力強さが増した浦和ユースが押し返す。ロングボールを活用し、セカンドボールを拾って前に出る浦和ユースが徐々に流れを引き寄せていった。

 横浜FMユースは23分、カウンターから右SB木村卓斗(2年)が上げたクロスをゲーム主将のCB西山大雅(3年)が決定的なヘディングシュート。だが、浦和ユースGK河畑光(3年)がキャッチして得点は動かない。逆に浦和ユースは28分、交代出場のDF荻原拓也(3年)を起点とした攻撃からシマブクが左サイドの高い位置で粘り強くボールキープ。そして斜めに入れたパスがPAの長倉へ通ると、切り返しでDFをかわした長倉が右足を思い切り振り抜いてゴールを破った。

 先制された横浜FMユースはU-17日本代表MF椿直起、MF榊原彗悟(ともに2年)を相次いで投入。36分には細かくボールを繋いで椿がフィニッシュへ持ち込むが、浦和ユースゴールを破ることができない。1-0のまま突入した後半アディショナルタイム、浦和ユースは相手CBからインターセプトした長倉が独走。最後はGKをかわして右足シュートを決め、熱戦に決着をつけた。

 浦和ユースは開幕戦で昨年の優勝チーム・青森山田高を破って以来となる勝利。「今日、何としても勝ちたかった」と振り返った大槻監督は「選手たちが頑張ってくれました」と讃えていた。また、主将の橋岡は「トントン拍子に行くってことはなくて、どこのチームも辛い時とかあると思う。たまたま僕らはこの時期だったんだと思って、またこういう(結果の出ないような)サイクルに入らないように、これからどんどん勝てるように、これから継続できるように細かいところをみんなで徹底して結果を出していければいい」と力を込めた。

 浦和は昨年、激戦区のプリンスリーグ関東を11勝6分1敗の成績で制し、プレミアリーグ参入戦で九州王者・長崎総合科学大附高との死闘などを経て5年ぶりにプレミアリーグ復帰。自力はあるだけに、この日の勝利を自信に、細かい部分からまた徹底して上を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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