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MF上月が個人技で同点弾!U-17日本代表は後半猛攻も2点目奪いきれず、クロアチアとドロー

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後半14分、U-17日本代表MF上月壮一郎が左足で同点ゴールを叩き込む

[7.15 国際ユースin新潟第1戦 U-17日本代表 1-1 U-17クロアチア代表 五十公野陸上競技場]

 10月開幕のU-17W杯(インド)に出場するU-17日本代表が、U-17クロアチア代表、U-17メキシコ代表、U-17新潟県選抜と総当りのリーグ戦で優勝を争う第21回国際ユースサッカーin新潟が15日、開幕。U-17日本代表はU-17クロアチア代表と初戦を戦い、1-1で引き分けた。

 今月7日のU-17W杯組み合わせ抽選会でU-17日本代表はホンジュラス、ニューカレドニア、フランスとグループリーグで対戦することが決定。本番まであと3か月を切った中でチームは世界でファイナリストになるための強化を進めていると同時に、メンバー選考も大詰めも迎えている。今回の新潟合宿には主力組のほか、U-15、U-16世代から計6名を招集するなど新戦力候補や当落線上の選手たちを招集。彼らのプレーにも注目が集まる中で行われたクロアチア戦は、0-1の後半に立て直してMF上月壮一郎(京都U-18)のゴールで追いついたものの、勝ち切ることはできなかった。

 4-4-2システムの日本のGKは谷晃生(G大阪ユース)で4バックは右SBが池高暢希(浦和ユース)、CBが関川郁万(流通経済大柏高)と小林友希(神戸U-18)、左SBが橋本柊哉(市立船橋高)。中盤はキャプテンの福岡慎平(京都U-18)と岩本翔(G大阪ユース)のダブルボランチで右MFが桝谷岳良(川崎F U-18)、左MFが上月。2トップは中村敬斗(三菱養和SCユース)と斉藤光毅(横浜FCユース)がコンビを組んだ。

 日本は立ち上がりに高い位置でのボール奪取からチャンス。福岡のスルーパスから斉藤が抜け出すなど、ゴールへ迫った。だが、15分にサイドでのプレスが緩く前にボールを運ばれると、一度奪いながらも福岡のバックパスをインターセプトされてしまい、FWレオン・クレコヴィチに先制ゴールを奪われてしまう。

 その後、福岡や岩本がボランチの位置からPAまで駆け上ってボールを引き出すなど、大きな動きを入れて攻撃を好転させようとしていたが、全体的にリズムが悪く、詰まったところでボールを奪われてカウンターを受けるシーンも少なくなかった。この日は新戦力候補が多く出場していたこともあって、「なかなかリズムが合わない。一人二人違ったり、テンポや距離感が違ってくるとなかなか上手くいかない」(森山佳郎監督)という戦いに。サイドの高い位置までボールを運ぶものの、そこからの精度を欠いてしまう。

 逆に奪ったボールを正確に繋いでフィニッシュまで持ち込んでくるクロアチアに決定機を作られた。28分には関川、34分には谷の好守で事なきを得たが、42分に中村がDFのマークを外して放った右足シュートが止められるなど0-1のまま前半を終えてしまった。

 日本は後半開始から関川、桝谷、中村に代えてCB菅原由勢(名古屋U-18)、MF平川怜(FC東京U-18)、FW宮代大聖(川崎F U-18)と主力組を投入。平川がボランチに入り、福岡が右MFへ移った。後半、パスワークのテンポが上がった日本は、1タッチを交えて左右へボールを動かし、クロアチアに揺さぶりをかける。

 そして14分、右サイドから岩本らが絡んで左サイドの上月までボールを繋ぐと、斜めに仕掛けた上月が上体の動きでDFの逆を取ってPAへ侵入。そのまま豪快な左足シュートを叩き込んで同点に追いついた。

 日本は18分、岩本に代えてMF奥野耕平(G大阪ユース)を投入。福岡や宮代の突破からチャンスを作った日本は26分に福岡に代えてMF鈴木冬一(C大阪U-18)を送り出す。29分には右サイドから左サイドへボールを動かし、平川のクロスのこぼれを上月がフィニッシュ。34分には上月のラストパスから平川が決定的な左足シュートを放った。

 ベンチの森山監督から「あとは決めるだけ!」という声が上がる。だが、運動量の落ちたクロアチアもカウンターの精度は高く、サイドを崩して決定機を作り出す。36分には右サイドを崩して連続で決定的なシュート。だが、日本は谷が続けざまにビッグセーブをして得点を許さなかった。後方から声を掛け続ける菅原と対応良く守っていた小林、谷中心に1-1を維持した日本は平川や両ワイドの選手が多くボールに絡みながらクロアチアゴールを目指す。

 ただし、日本も勝ち越すことができない。37分に平川のループパスから左中間を抜け出した宮代の放った左足シュートは右ポスト直撃。日本はハイサイドを取るものの、ゴール前を固めるクロアチアの前に一瞬判断が遅れたところを奪われたり、ラストパスを引っ掛けられたりしてしまう。後半だけで8本あったCKなどセットプレーも活かせず。最後は上月に代えて188cmFW栗原イブラヒムジュニア(三菱養和SCユース)を送り出したが、勝ち越し点を奪えず、1-1で引き分けた。

 主力組を投入した後半、攻撃の流れを改善し、多くの時間帯で攻め続けたことは想定内。その中で配球、動きのタイミングなど質の部分を欠いて勝ち越せなかったことは課題だ。また森山監督の言う「相手の足が伸びたり圧力、迫力、推進力ある」外国人選手と対戦し、短い時間で修正できなかった選手もいた。

 力のあったクロアチアとの試合の経験をどう活かすことができるかが大事となる。16日の第2戦では森山監督が「(ワールドカップの)優勝候補だろうし、その相手にどのくらいできるか楽しみ」というメキシコと対戦。今回のベスト陣容で臨むことが予想される一戦で、天皇杯でベンチ入りした小林や、上月ら成長してきているU-17世代の個々、チームがどのような戦いを演じるか、U-17W杯へ向けて注目の一戦となりそうだ。

(取材・文 吉田太郎)<

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