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「岡ちゃんも察してくれた」野人岡野、20年ぶり“ジョホールバルの歓喜”は筋書きなし

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岡田武史監督の采配が光った

[7.17 鈴木啓太引退試合 REDS LEGENDS4-4BLUE FRIENDS 埼玉]

 盛り上げ役に一役買った。FW岡野雅行は前半、浦和レッズOBメンバー主体の「REDS LEGENDS」で先発出場。「脳内では全員を突破した」とイメージは完璧だったが、44歳の体は思うように動かず、「『スルーパス禁止』って言ったのにバンバン出てくる」と苦笑いを浮かべた。

 “名場面”を再現する粋なパフォーマンスに埼玉スタジアムが沸いた。後半43分、鈴木啓太と同じ時代に日の丸を背負った仲間たちを中心に構成される「BLUE FRIENDS」がPKを獲得すると、岡田武史監督から「ここだろう」と指示を受け、緊急投入された。

「僕足つってたんで、『蹴れるかな』と思った」と不安もあったが、GKが空けた左隅のスペースを狙い、冷静に右足で同点ゴール。すると、迷わず1997年に日本代表がW杯初出場を決めた“ジョホールバルの歓喜”のパフォーマンスを再現。ベンチの岡田監督に向かって両手を広げて疾走し、がっちりと抱擁。レッズサポーターも「ニッポン」コールで盛り上げた。

 ミスターレッズFW福田正博は「岡野はエンターテイナーだったね。周りの空気を読んで、期待に応えてくれる。ああいう選手がJリーグには少なくなっている」とその姿勢を称賛。DF堀之内聖は「今日の一番の盛り上がりは岡野さんだったかも」とニヤリ。にぎやかな“同窓会”に、主役の鈴木啓太は「岡野さん、フク(福田)さん、俊(輔)さん。強い個性のみんながこのゲームをつくってくれたことを感謝したい」と笑顔を見せた。

 阿吽の呼吸で再現された20年前の“歓喜”。「岡田監督と打ち合わせはしてなかった」と筋書きはなかったが、「“ジョホールバルの歓喜”を埼スタでできたことが嬉しい。岡ちゃんも察してベンチから出てきてくれた。すぐに出てきてくれてよかった。メガネ〜!と思いました」と盛り上げ役に一役買ったことを喜んだ。

※敬称略
(取材・文 佐藤亜希子)

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