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[MOM2159]近大附MF尾山海斗(3年)_“大阪トップクラス”の突破力発揮、NBカップ決勝で3得点に絡む

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抜群の突破力を披露した近大附高MF尾山海斗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.23 ニューバランスカップ決勝 桃山学院高 1-4 近大附高 J-GREEN堺S1]

 スピードに乗った仕掛けは、分かっていても止められない。近大附高のDF白木原一輝主将(3年)が「サイドの突破力は大阪でもトップクラス」と太鼓判を押すMF尾山海斗(3年)が躍動感溢れるプレーを披露し、チームにタイトルを引き寄せた。

 持ち味は50m6秒台前半の俊足を活かした縦への突破。左サイドを鋭く攻め上がる姿は、Jのスカウトから認められるほどの実力を持つが、山田稔監督が「イケイケの時は良いけど、ボールの失い方が悪くてピンチを招いたり、状況判断が悪い時がある」と評するように、良い時と悪い時の波があることが課題だ。この日も、午前中に行った滝川二高との準決勝は、「疲れから気持ちが乗らずに、身体が動かなかったし、自分の思うようにプレーができなかった」。

 しかし、「このままではいけない」と奮起して、挑んだ桃山学院高との決勝は、「イメージ通りプレーできたので、上手くいったなと思う」とほほ笑んだように、持ち味を存分に発揮した。試合序盤からスピードに乗った突破で攻撃を牽引すると、最初の見せ場は前半11分に訪れた。混戦から強引に左サイドを抜け出すと、ゴール前に鋭いパスを配球。ダイレクトで放ったFW田島和樹(3年)のシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球をDF中谷和樹(2年)がきっちり詰めて先制した。

 33分にも突破からのパスで、FW鈴木風光(2年)のゴールの起点になると、後半15分には、「中にいるのが見えていた」と右サイドからのクロスを頭で落として、田島のゴールをアシストした。終わってみれば、3得点に絡む大活躍。左サイドでの仕掛けだけでなく、「縦への突破を見せてから、中へ切れ込むことを意識した」と振り返るように、味方との連係で中央へ仕掛ける動きも多く見られるなど、2年連続での栄冠は違いを見せつけた尾山抜きでは語れない。

 2年生だった昨年から定位置を掴んだものの、ピッチでの存在感が増したのは今年に入ってから。「プレーでのチャレンジを続けていたら、考えてプレーできるようになって、自信もついてきた」と話すように、積極的な姿勢がブレイクの原動力となっている。

 今年の目標として掲げるのは、「近大附属で全国大会に出て、結果を残す」こと。残されたチャンスは、冬の選手権のみになったため、モチベーションもこれまで以上に高まっている。「ピッチで悔しい経験をし続けて、やらないといけないという気持ちが出てきた。必ず選手権の舞台に立って、更に成長したい」と意気込む尾山が、選手権予選でも左サイドからチームを勝利に導くプレーを見せてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)

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