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39年ぶり出場で1勝、市船相手に健闘の東海大熊本星翔、経験活かして選手権初出場目指す

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前線からボールを奪いに行く東海大熊本星翔FW渡辺力斗(左)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.30 総体2回戦 東海大熊本星翔高 0-3 市立船橋高 みやぎ生協めぐみ野サッカー場Aグラウンド]

 39年ぶりに出場した東海大熊本星翔は2回戦で前回王者・市立船橋高相手に真っ向勝負。前半は後方からボールを判断よく繋いでシュートまで持ち込むなど、自分たちの取り組んできたサッカーをしっかりと表現していた。

 流れの良いまま迎えた前半18分にはMF花田駿(3年)の左FKに大外から飛び込んだFW渡辺力斗(3年)がダイビングヘッド。ゴールを破って会場を沸かせたが、わずかに渡辺の動き出しが速かったか、判定はオフサイドでノーゴールとなってしまった。

「あそこで決めていたら自分たちの方に流れが来ていたと思う」と渡辺は悔やんだが、東海大星翔は、その後もワンツーなどコンビネーションでの崩しにチャンレンジ。「形よく抜け出しとか、もうひとりの一(怜哉)と自分と上手く動き出して出来ていた」と振り返った渡辺とFW一怜哉(3年)の2トップの強さ、MF花田駿(3年)のテクニックなど個々の持ち味を発揮して市立船橋にプレッシャーをかけていた。

 DFラインの健闘もあって前半は0-0で折り返した。前半終了時には選手たちも「行ける」という実感があったという。だが、後半5分に先制点を許すと、その後は流れを変えることができないまま攻められ続けて0-3で敗戦。吉岡宏樹監督は「球際とかそういったところの競り合い、拾い合いとか全然違っていたと思います」と王者の強さを実感していた。

 全国上位のチームとの力の差を見せつけられる結果となったが、旧東海大二高時代の78年以来39年ぶりに熊本県予選を制し、全国初勝利も挙げた。この日、全国で優勝争いをする市立船橋の強さを体感し、通用する部分の手応えも得たチームは、このレベルに勝つチームを目指して強化を進めていく。

 まずは選手権熊本県予選で優勝し、選手権初出場することが目標。吉岡監督は「(熊本県では)大会ごとにチャンピオンが変わっているので、(夏冬)連覇するということを目標に、もう一度市船さんなどと全国の舞台でできるように」と語り、渡辺は「この夏、色々な大会なども控えているので、経験を活かして練習でもしっかり取り組んで、また全国の舞台に戻って来れるようにしたい。(個人的には) チームが苦しい時間などに自分が個人の能力でも、中盤にいい選手がいるから自分が抜け出してからでも、点を決められるようにしたい」と意気込んでいた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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