勝因は“王者のメンタリティー”…FC東京U-18キャプテンDF岡庭「苦しい時期があったから」
[8.2 第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会・決勝 浦和ユース 0-2 FC東京U-18 味フィ西]
FC東京U-18のDF岡庭愁人(3年)は、クラブ史上初のクラブユース選手権2連覇を成し遂げたチームをキャプテンとしてけん引した。今季は高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦で、清水ユースに競り負けるという厳しい船出。そのうえJ3リーグに参戦中のFC東京U-23に複数のメンバーが帯同しており、チームをまとめる難しさに直面していた中での快挙となった。
「今季が始まって、自分がキャプテンをさせてもらって、チームとしても自分としてもうまくいかないスタートで、正直不安な時があった。でも、自分が思うとおりに信じてやって、仲間も付いてきてくれた。そういう苦しい時期があったからこそ、こういった優勝、連覇という結果を残せたのはすごくうれしいことだと思います」。
前回大会の優勝メンバーからのメッセージも支えになった。「キャプテンだった蓮川選手(蓮川壮大・明治大)やいろんな先輩から『明日がんばれよ』という連絡をもらって、今日こそ成しとげないといけないという気持ちで入れた」と感謝し、「おかげでプレーも気持ちのこもったものが出せた」と振り返る。
また、「自分も小学校が埼玉だったので、浦和ユースのほとんどの選手を知っていて、個人的に負けられないし、成長した姿を見せたいと思っていた」と旧知のライバルに対する意地もあったようだ。
浦和ユースとの決勝では「前半から大きなチャンスがあったにもかかわらず決められない」という難しい展開となったことで、「不安になる時間帯もあった」という。それでも1年時から主力を張る岡庭は「昨年もそれは経験しているので」と昨季の成功体験を思い返し、「どんな状況でも受け入れながら、チームに声をかけた」と、精神的支柱としての役割を全うする余裕があった。
「こっちにもチャンスがあるということは、相手にも必ずチャンスが来ると思って、後ろのGKの高瀬選手や篠原選手、長谷川選手を中心に声をかけあっていた。ピンチが多い時間帯に自分たちで声をかけられて、後ろが鼓舞してあげれば絶対に前の選手がそれに応えてくれると思ったので、信じてやるだけでした」。その結果、「後半のあの時間に得点できて、立て続けに2点目を取れて、良い試合展開にできた」。岡庭はその流れを『王者のメンタリティー』と表現した。
もちろん、「決勝で勝ったからといって全部よかったわけでもない」と話すように、最大の目標である“前人未踏の3冠”にたどり着くには、まだまだ課題があることも認識している。「8月の終わりからプレミアリーグEASTが始まるので、それに向けて修正していかないといけない。昨季の決勝の相手だった清水ユースも(クラブユース選手権で)決勝トーナメントに行けず、自分たちを食いに来ると思う。そこを今から準備して、『王者のメンタリティー』を持って、叩いておかないといけない」と力強く話す。
個人としても、1日に発表されたSBS杯(10日~13日)に向けたU-18日本代表に久しぶりに選出され、ステップアップの期待がかかっている。「昨年もこの時期に結果を残してチャンスをもらったが、それからなかなか呼ばれない時期もあった。自分のなかで課題も分かっていたので、この大会で勝ち上がる中で評価してもらったというのはすごくうれしい」と喜びを口にしつつ、「呼ばれただけで終わるんじゃなくて、何かしら爪痕を残して結果を出したい」とチャンスを逃さない構えだ。
目指すは、2019年のU-20W杯につながる大舞台。「10月には大会(AFC U-19選手権2018予選)も始まるので、自分もそこに食い込んでいけるように、このSBS杯で自分が爪痕を残して、結果を出せるように準備していきたい」(岡庭)。チームのために、そして自分のために、『百折不撓』のキャプテンは夏の間も歩みを止めない。
(取材・文 竹内達也)
●第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ
FC東京U-18のDF岡庭愁人(3年)は、クラブ史上初のクラブユース選手権2連覇を成し遂げたチームをキャプテンとしてけん引した。今季は高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦で、清水ユースに競り負けるという厳しい船出。そのうえJ3リーグに参戦中のFC東京U-23に複数のメンバーが帯同しており、チームをまとめる難しさに直面していた中での快挙となった。
「今季が始まって、自分がキャプテンをさせてもらって、チームとしても自分としてもうまくいかないスタートで、正直不安な時があった。でも、自分が思うとおりに信じてやって、仲間も付いてきてくれた。そういう苦しい時期があったからこそ、こういった優勝、連覇という結果を残せたのはすごくうれしいことだと思います」。
前回大会の優勝メンバーからのメッセージも支えになった。「キャプテンだった蓮川選手(蓮川壮大・明治大)やいろんな先輩から『明日がんばれよ』という連絡をもらって、今日こそ成しとげないといけないという気持ちで入れた」と感謝し、「おかげでプレーも気持ちのこもったものが出せた」と振り返る。
また、「自分も小学校が埼玉だったので、浦和ユースのほとんどの選手を知っていて、個人的に負けられないし、成長した姿を見せたいと思っていた」と旧知のライバルに対する意地もあったようだ。
浦和ユースとの決勝では「前半から大きなチャンスがあったにもかかわらず決められない」という難しい展開となったことで、「不安になる時間帯もあった」という。それでも1年時から主力を張る岡庭は「昨年もそれは経験しているので」と昨季の成功体験を思い返し、「どんな状況でも受け入れながら、チームに声をかけた」と、精神的支柱としての役割を全うする余裕があった。
「こっちにもチャンスがあるということは、相手にも必ずチャンスが来ると思って、後ろのGKの高瀬選手や篠原選手、長谷川選手を中心に声をかけあっていた。ピンチが多い時間帯に自分たちで声をかけられて、後ろが鼓舞してあげれば絶対に前の選手がそれに応えてくれると思ったので、信じてやるだけでした」。その結果、「後半のあの時間に得点できて、立て続けに2点目を取れて、良い試合展開にできた」。岡庭はその流れを『王者のメンタリティー』と表現した。
もちろん、「決勝で勝ったからといって全部よかったわけでもない」と話すように、最大の目標である“前人未踏の3冠”にたどり着くには、まだまだ課題があることも認識している。「8月の終わりからプレミアリーグEASTが始まるので、それに向けて修正していかないといけない。昨季の決勝の相手だった清水ユースも(クラブユース選手権で)決勝トーナメントに行けず、自分たちを食いに来ると思う。そこを今から準備して、『王者のメンタリティー』を持って、叩いておかないといけない」と力強く話す。
個人としても、1日に発表されたSBS杯(10日~13日)に向けたU-18日本代表に久しぶりに選出され、ステップアップの期待がかかっている。「昨年もこの時期に結果を残してチャンスをもらったが、それからなかなか呼ばれない時期もあった。自分のなかで課題も分かっていたので、この大会で勝ち上がる中で評価してもらったというのはすごくうれしい」と喜びを口にしつつ、「呼ばれただけで終わるんじゃなくて、何かしら爪痕を残して結果を出したい」とチャンスを逃さない構えだ。
目指すは、2019年のU-20W杯につながる大舞台。「10月には大会(AFC U-19選手権2018予選)も始まるので、自分もそこに食い込んでいけるように、このSBS杯で自分が爪痕を残して、結果を出せるように準備していきたい」(岡庭)。チームのために、そして自分のために、『百折不撓』のキャプテンは夏の間も歩みを止めない。
(取材・文 竹内達也)
●第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ