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“毎試合変わるヒーロー”に手ごたえ、日大藤沢DF安松主将「次こそ頂点を…」

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日大藤沢高DF安松元気主将(3年)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.4 総体決勝 流経大柏高 1-0 日大藤沢高 ユアスタ]

 スタジアムに鳴り響くタイムアップのホイッスルは、冬の選手権で再び頂点を目指すためのスタートの合図でもあった。

 決勝戦は立ち上がりから流通経済大柏高がロングボール主体に主導権を取ろうとする。試合を通して「ロングボールを跳ね返すことを意識していた」という日大藤沢高DF安松元気主将(3年)は、ことごとく空中戦で競り勝ち、流れを渡さない。チーム全体で守備の意識が高く、後半31分に決勝ゴールを奪われるまでは、ほぼ決定機は作らせなかったが、最後にワンチャンスをものにされ、初の全国制覇はならなかった。

 安松は頂点に届かなかった悔しさを浮かべながらも、大会を通じて確かな手ごたえも感じていた。「これまで先制されても逆転できるチームではなかったが、逆転できる力がついた」と、6試合を通しての成長を口にした。

 特に「毎試合ヒーローが変わっていた」と言うように、6試合で積み上げた得点はすべて異なる選手があげ、チーム全体の底上げを実感していた。「スタメン11人、ベンチメンバー、メンバー以外も個性が強い人が揃っている。競争意識をもってさらに強いチームをつくっていきたい」と力強く言葉にした。

「ようやく日本の頂点を狙えるところまできた」からこそ、険しい道も待っている。頂点を目指すには激戦区神奈川を次は1位で突破しなくてならない。「準優勝したことで他チームはチャレンジャーの気持ちで来ると思う。それでも、流経大柏さんや、市船さんのようにそれを跳ね返して勝ち切れるチームを作ります」。日本の頂点の一歩手前までやってきた。その一歩を進めるために、仲間と共に更なる飛躍を誓う。

(取材・文 石井健太)
●【特設】高校総体2017

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