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「試合中辛いことよりも、負ける方が嫌だろ!」流経大柏を変え、自身も変わったエースMF菊地が安堵の日本一

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流通経済大柏高MF菊地泰智。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.4 総体決勝 流通経済大柏高 1-0 日大藤沢高 ユアスタ]

 流通経済大柏高の背番号10を背負うエースMF菊地泰智(3年)にとっては今回のインターハイは我慢の大会だったかもしれない。「始まる前は得点王を狙うつもりでいたんですけど……」というように、昨年の準優勝の悔しさを忘れていないレフティーは、自分が試合を決める活躍をしてチームを日本一へ導くつもりだった。

 だが、勝ち上がるためにどう戦うか追い求める中で我慢して守ること、セカンドボールを体を張って収めてそのボールを繋いだり、スペースへ入れたりすることが自分の役割だと認識した。

 優勝後、菊地は「もうちょっと自己中でやってもいいかな」と思う部分もあったと明かしたが、今回は自分のプレーを存分に発揮することよりも優勝することを優先した。1年時から名門の将来を担う存在として期待されてきた菊地だが、選手権は2年連続で予選敗退。プレミアリーグから降格し、今年はプリンスリーグでの戦いを強いられている。
 
 敗戦することが続いていた。1年での復帰を目指した今年のプリンスリーグ関東でも中位に沈んでいる。もう、負けたくは無かった。「(今回のインターハイは)本当に負けたら後悔するってみんなでそれは言っていたんで、『試合中辛いことよりも、負ける方が嫌だろ』と言い合ってそれで(主将の宮本)優太と2人で頑張って引っ張りました」。前回大会で準優勝し、インターハイは優勝を狙えるという手応えがあったという菊地は、その思い通りに夏の全国制覇を果たした。

 名将・本田裕一郎監督が「十分上でできると思っている。(ポジションは)どこでもできて、こういう戦術でこうしたいと言ったら全部できる」と賞賛するサッカーセンスの持ち主。今大会は左足シュートやスルーパス、ドリブル突破など得意な部分を魅せるよりも求められる役割を地道にこなす姿が印象的だった。

「今日は走ろうと思いました」という決勝でも周りの選手の頑張りに負けないように、守備面で奮闘。一人ボールを奪いきって攻撃に繋げるようなプレーを連発するなど、逞しさが目についた。ゲームの流れに乗れない時間帯もあったが、登録160cmの小柄なレフティーは泥臭いような部分でもチームに貢献できることを証明。チームに高い要求を続けたMFは自身も変わったところを示して大会優秀選手に選出された

 菊地の目標はプロ。本田監督も太鼓判を押す実力の持ち主は、目指してきた優勝を果たし、「嬉しいというよりも安心しました」。今後、少ないチャンスでも得点を取りきる部分など、自身をより磨いて、より評価を高めて来年、より高いステージに挑戦する。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017



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