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[adidas Cup仙台]抜群のキックなどに注目の狭山ヶ丘GK青木、納得のプレーで負傷退場

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狭山ヶ丘高GK青木祐太

[8.7 adidas Cup仙台準決勝 狭山ヶ丘高 5-0 鎌倉高 松島フットボールセンター]

 後半15分、鎌倉高の左CKのチャンスは狭山ヶ丘高GKの思い切った飛び出しによって阻まれた。だが、果敢な飛び出し、パンチングの代償としてGK青木祐太(3年)は左目の上側をカット。流血したGKは痛みを周囲に訴えながら、そのままピッチを後にした。

 自身を負傷退場へ追い込んだ1プレー。だが、青木はこの飛び出しができたことを喜んでいた。「この合宿でクロスの守備範囲をテーマとしていて、それが出たなというのが衝突した部分なんですけど、果敢に、守備範囲広くやっていこうということであそこは大きく出ていきました」。病院直行というほどの怪我だったが、本人は理想のプレーができたことに胸を張っていた。

 ゴール前での存在感光った青木は、前半からキックでも十分すぎるほどのインパクト。軽々と敵陣中ほどまでボールを蹴り飛ばして、チームの多彩な攻撃の中で武器の一つになっていた。

 元々、キックは武器ではなかったのだという。だが、選手権でGK廣末陸(青森山田高→FC東京)を見て、高校入学後から課題として取り組んできたキックをさらにレベルアップ。「キックは廣末選手、あそこまでキックでインパクト残せるGKって凄い。それを目標に自分もキックを特長にしたいと考えていた」。現在はより飛距離を伸ばすこと、そしてよりFWの意図に合ったボールを蹴れるようにしようと取り組んでいる。

 シュートストップ、1対1の対応にも自信を持っている青木はU-16埼玉県選抜として関東トレセンリーグメンバーにも選出されていた実力者。西澤正仁監督が「明るいし、前向き」と評する青木の身長は181、182cmほどでGKとしては特別大柄ではないが、関東1部の強豪大学へ進学予定で、今後の飛躍も期待される注目株だ。

「個人としては個人の課題を克服しながらチームの勝利に貢献できるように、選手権(全国で)戦いたいと思っていて、チームとしてはより高みを目指して一つ一つ勝利を重ねていきたい」。負傷をモノともしないメンタリティーと、“廣末級”へ努力を続けるキック……まだ全国的には無名だが、この冬、チームとともに勝ち進んで必ずその知名度を上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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