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[SBS杯]チェコにファウル覚悟で止められた静岡10番FW白井、「引っ張られても前に行くくらいに」

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静岡ユースのFW白井海斗主将(清水桜が丘高)

[8.10 SBS杯国際ユース第1節 静岡ユース 1-2 U-18チェコ代表 藤枝総合]

 静岡の10番はチェコにとって最も危険な存在になっていた。試合前の分析によると、チェコのDFは大柄の選手が並ぶ一方で小回りの利くタイプが少ない。だからこそ、FW白井海斗(清水桜が丘高)は「相手と入れ替わるところでボールを受ける」ことを意識していたという。その狙い通りにDFと巧みに入れ替わるシーンを連発。得意のターンから一気に前進してチャンスに絡んだ。

 だが、DFは置き去りにされないように白井のユニフォームを引っ張ってバランスを崩させたり、ファウル覚悟で進路を塞ぎ、オブストラクション気味に“危険人物”を止めていた。前半28分にゴール右隅を突いたコントロールショットをGKに阻まれたシュートを除くと、白井のシュートはゼロ。良い形で前を向くシーンは多かったものの、決定打を打たせてもらうことができなかった。

 白井は「前向いて入れ替わった時に服を引っ張ってくることが3回くらいあって、そこで自分は倒れちゃったんですけど、あそこでもう少し強引に行くくらいやらないと得点に繋がらないかなというのはあった。引っ張られても前に行くくらいになっていかないといけない」。

 海外サッカーの映像で見るものと実際に体感するものは別。それだけに「経験できたのは良かった」と語った白井だが、「もっと貪欲に行かなければゴールは奪えない」とそれを振り払ってゴールを奪うような選手になることを誓っていた。

 静岡の代表として臨んでいる大会は白井にとって特別なものだ。「ゴール前でボール持った時に一人かわしてシュートとか、ゴール前に入り込んで1タッチでシュートとかそういうところで自分のアピールをして将来に繋げていきたい」と語る一方、絶対に静岡を勝たせなければならないという責任感を持って大会に臨んでいる。

 この日の静岡ユースはCKからCB山口晏侍(藤枝東高)が決めた1点のみ。「攻撃陣でのゴールが無かったし、あまりチャンスも演出できていなかったので、試合後も(MF新関)成弥たちと『攻撃陣で点取れなかったから明日は攻撃陣でしっかりと点を取ろう』と話しました。(静岡の代表として)責任があると思うので、明日しっかりと攻撃陣で点取ってチームの勝ちに貢献できればいい」と意気込んだ。

 1年時のインターハイ予選で大活躍し、チームを全国へ導いた注目FWも3年生。1年夏以来、全国舞台には手が届いていない。今回、世界と対戦する貴重な経験をチームに持ち帰り、選手権出場に繋げなければならない。

「ただ、『言ってきたよ』というだけじゃなく、海外の強さや、どうすれば上に行けるのか感じたことをみんなに伝えていかないと。すぐに選手権も始まるので、優勝して全国出られるように繋げていきたい」。個人、チームが冬までにもうひと伸びすること。結果を残して自信を掴み、またチームのために学ぶ残り2試合にする。

(取材・文 吉田太郎)
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