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「全然触ってない…」オウンゴールで喜び控えめの大島に阿部は「喜んでおけ」

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相手のオウンゴールが先制点となり、喜びも控えめのMF大島僚太(左)

[8.13 J1第22節 川崎F3-1鹿島 等々力]

 攻め切る姿勢がオウンゴールを呼び込んだ。序盤からボールポゼッションを高め、ゲームを支配しながら再三のチャンスを生かせずにいた川崎フロンターレだが、前半終了間際のアディショナルタイムに均衡を破った。

 PA右手前からMF家長昭博が斜めのスルーパス。これをFW阿部浩之がスルーし、ゴール前のMF大島僚太がシュート体勢に入ったところで、背後から全速力で戻ってきたDF西大伍がスライディングタックルでボールをカットしたが、これが自陣ゴールに吸い込まれた。

 阿部が「アキくん(家長)がボールを持った瞬間、昌子選手が食いついてきて、スペースが空いた。植田選手が俺のほうに来たのも見えた」と言えば、大島も「阿部ちゃんがこっちを見たので、たぶんスルーするだろうと思った」という“以心伝心”。「相手のDFに取られたけど」(阿部)、「あそこで戻ってくるのが鹿島」(大島)と、シュートは打てなかったが、オウンゴールで先制した。

 得点直後は場内で大島の得点としてアナウンスされたが、ハーフタイム明けにはオウンゴールと訂正された。「全然触ってないので」と苦笑いした大島は得点にも表情を変えず、近づいてきた阿部が思わず「(大島)僚太、喜んでおけ」と声をかけたという。

「(自分の)ゴールにはならなかったけど、人数をかけて出て行けたことが結果につながった」。そう振り返った大島は首位・鹿島を破る価値ある勝ち点3にも「上位と対戦して勝てば(勝ち点差は)縮まる。勝ったのは大きいけど、そういう試合じゃないときこそ勝たないといけない」と、どこまでも冷静だった。

(取材・文 西山紘平)

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