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[MOM2198]浦和東MF野口滉平(3年)_右利きの“ロッベン”が豪快カットインシュート!

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2得点に絡んだMF野口滉平(3年)はチームメイトに囲まれてガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.19 アンダーアーマーチャレンジカップ決勝 浦和東5-0延岡学園]

 スタートポジションは左ウイングバックだが、激しいスプリントで攻撃参加を繰り返し、鋭いクロスとシュートで相手ゴールを脅かす。「ロッベン(バイエルン)の動画を見て、カットインシュートの練習をしている」という浦和東高MF野口滉平(3年)が突き刺した一発は、まさに憧れの選手を彷彿とさせる弾道だった。

 そんな得点が決まったのは、2-0のリードで迎えた前半17分だった。左サイドに大きく開いて味方のロングフィードを受け取ると、浮き球を強引に運び出してPA左脇へ侵入。左足でシュートを放つと見せかけてフェイントで切り返し、体勢を崩しながらも右足を力強く振り抜いた。

 野口が「いつも練習してきた形で、思った通りのコース」と自画自賛したように、GKが届かないゴール右上隅をしっかり捕捉。利き足、サイドともに反転させた形にはなったものの、映像でよく見る“オランダ人アタッカー”の姿と見事にシンクロさせた。

 得意なプレーは「シュートフェイント」。この試合では前半13分にもドリブルからのフェイントでPKを獲得し、チームの2点目を呼び込んだ。「この大会で1点も取れていなかったので、自分の力で点を決めて勝ちたいと思っていた」(野口)。これまでは迫力あるドリブル突破で貢献していたが、“武器”を駆使して優勝の立役者となった。

 試合後、鈴木豊監督は「ああいうプレーはできるタイプ」と野口の能力を評価。しかし、この試合の序盤はドリブル突破がうまくいかず、相手から「切り返すぞ!」とボールを奪われる場面が続いたことで、「もうとにかく縦に行け!読まれてるぞ!」という声も飛んでいた。指揮官は「もう少し相手の状況に合わせてプレーできるようになれば……」と現状に満足はしていない。

 野口も「この大会では試合に出られたけど、いまケガをしていていない選手がレギュラーだと思っている。自分は左足でのクロスも得意なので、もっと縦に行くプレーもしていきたい」と反省を今後に生かす構え。「ウイングバックなので守備も求められている」ため、ロッベンのような“攻撃専従”ではないが、「もともと運動量には自信があったし、この夏の合宿で走り込みをしてきたので」と攻守のハードワークは望むところだ。

 長身ストライカーを最前線に置いて、クロスを得点源とするスタイルの浦和東において、サイドプレーヤーは生命線。今大会では右ウイングバックのDF小林雄太(3年)とともに重責をまっとうしたが、野口が目指すところは10月から参加する選手権埼玉県予選だ。「インターハイではあと一歩で全国に行けなかったので、選手権は自分の力でチームを全国に導きたい」。そう意気込んでいる。

(取材・文 竹内達也)

●アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SUMMER

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