beacon

[全中]青森山田、史上初の4連覇に死角なし!? 5-1勝利も上田監督「50点」 FW粟津「何も成し遂げていない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

青森山田はFW粟津瑠来の3試合連続弾などで5発快勝

[8.21 全中準々決勝 青森山田中5-1東海大菅生中 大津町運動公園競技場]

 史上初の4連覇を目指す青森山田中(青森)が順当に勝ち上がっている。東海大菅生中(東京)との準々決勝では、序盤は相手の出足に苦しんだものの、前半終了間際にPKで先制すると、アディショナルタイムだけで怒涛の3得点。一気に試合のペースをつかむと、後半も得点を重ねて、5-1で勝利した。

 前半15分ごろに設けられた給水タイム。上田大貴監督の雷が落ちた。「なんで歩いている選手がいるんだよ!」。スコアはまだ0-0の状況。決して悲観する状況でもなかったが、王者を率いる指揮官は会場に響き渡るほどの声で、イレブンの奮起を促していた。

 昨年のチームと比べると、技術面では優れているものの、メンタル面に課題があるのだという。上田監督が厳しい姿を見せるのは、選手たちの慢心を生まないためでもある。「疲れも出ていると思うが、体の重さを感じた入りだった。立ち上がりがのらりくらりだった」。最終的に5-1というスコアだったが、上田監督は“あえて”、「(100点満点の)50点」と厳しく突き放した。

 青森山田にとっては厳しい戦いが続いているということだろうが、チーム内では優勝経験者の存在が大きな力になっている。昨年も先発だったメンバーは4人。主将MF藤原優大が大黒柱としてチームを支え、GK長濵北斗が最後の砦となる。MF鈴木遼がテクニカルなプレーで魅せれば、FW粟津瑠来は決定力でチームをけん引している。

 そしてこの試合でも均衡を破るプレーをみせたのは、優勝経験者たちだった。前半終了間際に粟津が一瞬のスピードでエリア内に入ると、相手DF竹村吉裕のファウルを誘発。PKを獲得すると、藤原がしっかり決めて先制に成功した。直後の同5分にはこぼれ球に粟津がスライディングで飛び込み加点。粟津は大勢が決していた後半アディショナルタイム3分にも、2試合連続となるマルチゴールを流し込み、ゴールラッシュを締めくくった。

 選手たちの発言にも慢心を感じない。3戦連続ゴールで得点ランキング2位の5得点を決めている粟津は、「疲労がたまっていますが、FWとしては決めないといけない。今日は他にもチャンスがあった。決めきれないのは悔しいですね」とまだまだ不満といった表情。「あと2試合あるので、全試合連続ゴールを決めたい。チームとしては連覇を言われますが、自分たちの代は何にも成し遂げていない。しっかり優勝して、4連覇を達成したいです」と力強く意気込んでいた。

 準決勝は22日に開催。青森山田中は大津町運動公園球技場で多摩大目黒中(東京)と対戦する。キックオフは10時。

(取材・文 児玉幸洋)
●第48回全国中学校サッカー大会特集ページ

TOP