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[全中]それぞれの思いを胸に決勝へ…ライオン「憧れでは終わらない」カジュマル「連覇に貢献したい」

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鹿児島育英館中の主将DF立石雷音(左)と青森山田中のDF藤田夏寿丸

 以前から特異な読み方をする名前の子供たちはいた。断っておくが、決して良い、悪いの話をするのではない。ただ近年では「キラキラネーム」という言葉で取り上げられることが多いように、中学生たちを取材していると、増えていることを実感する。

 3年ぶりの決勝に進んだ鹿児島育英館中(鹿児島)の主将に話を聞くため、選手に声をかけた。「ライオン!取材だって!」。目の前に現れたDF立石雷音(たていし・らいおん)は、「かっこいい名前だね」という声に満面の笑顔で応えた。

 準決勝で勝利した日章学園中(宮崎)は九州予選の準々決勝で対戦し、1-2で敗れていた相手だった。鹿児島育英館は敗者復活戦となる5位決定戦を制して今大会への出場を決めていたが、日章学園は九州王者として今大会に出場していた。

「九州予選で負けた相手だったので、リベンジしたいとみんなで話していた。昨日の(準々決勝の相手の)長崎南山も新人戦で負けていた相手だったので、リベンジ出来て嬉しいです」

 現3年生は、3年前の全中準優勝に憧れて入学してきた世代でもある。決勝の相手は奇しくも、その決勝で敗れた青森山田中(青森)との再戦になる。「憧れで終わってはいけない。記録を塗り替えられるように頑張りたい」。ライオンに導かれる育英館中が、学校としての最大のリベンジ、鹿児島県勢としても初となる中学日本一のタイトルに挑む。

 一方の対戦相手の青森山田にもDF藤田夏寿丸(ふじた・かじゅまる)という選手がいる。熱帯地方に分布する「ガジュマル」に由来するもので、名前にある「寿」は元日本代表の中田英寿氏から一文字頂いたものなのだという。

 夏寿丸は青森県三沢市出身で、小学校時代は今大会得点王を狙うFW粟津瑠来と守護神のGK長濵北斗とともにレオニーノ木崎野FCでプレー。中学進学と同時に揃って青森山田の門を叩いた。

 ただ昨年の決勝は、粟津と長濵はピッチに立ったが、藤田は出場機会なくベンチで優勝を見届けた。連覇で注目を集める青森山田だが、今年のチームで全国のタイトルを獲るという意識も強く持っている選手も多い。“初の決勝”に向けて夏寿丸も「今大会は自分が失ってカウンターを受けることも多かった。もっとチャンスにからみたい。決勝では対人とか全部勝って優勝、連覇に貢献したい」と闘志を燃やした。

 決勝は明日23日に大津町運動公園球技場で10時にキックオフする。

(取材・文 児玉幸洋)
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