[8.24 ミズノカップ御殿場決勝 野洲高 2-1 日本航空高 時之栖うさぎ島G]

　野洲高の決勝点は注目アタッカーの突破から生まれた。1-1に追いつかれて迎えた後半アディショナルタイム、野洲のMF高取誠隆(3年)は中盤でボールを拾うと、潰しに来た相手DFを鮮やかなターンで突破。すると、「最後の力を振り絞って。1人剥がしてスピードにも自信あったので」というMFは、追いすがるDFを一気にスピードで振り切る。

　スピードに乗ったドリブルで空いたスペースを駆け上がった高取は、カバーに来たDFを引きつけてラストパス。「動き出しがあったので出した」というパスを受けたFW片岡海斗(2年)が熱戦に決着をつける決勝点を決めた。

　昨年度の選手権開幕戦でもテクニックを示した注目アタッカー。現在は脛の負傷明けでコンディションが上がってきている途中だが、今大会ではトップ下の位置でダイレクトでのラストパスや意表を突く足裏での崩しのパス、そして抜群のキープ力を発揮していた。

　そして日本航空高の厳しいチェックを受けた決勝でも抜群のテクニックで相手の守りを打開して決勝アシスト。本人も「『多彩にやれ』と言われている。それができたのは良かった」と納得の表情を見せていた。

「1年から出させてもらっている分、責任感持って引っ張っていかないといけない。去年とか一昨年は周りに上手い人がいたし頼っていた。チーム引っ張っていける存在になりたい」。昨年、一昨年度の選手権はいずれも全国1回戦敗退。それだけに、野洲の攻撃のキーマンはここから選手権までにレベルアップし、チームを引っ張って、「選手権に出ることは絶対条件。出たらまず1回勝って、もちろん全国優勝目指して頑張っていきたい」という目標を達成する。

(取材・文　吉田太郎)