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田嶋会長の思い届く…続投表明のハリル、昨日の発言は「私を批判した方々に向けたもの」

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続投を発表した日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督

 日本代表を率いるバヒド・ハリルホジッチ監督は1日、さいたま市内で行われた記者会見に出席し、W杯ロシア大会に向けて、引き続き指揮を執ることを表明した。

 オーストラリア戦に勝利し、日本代表がW杯ロシア大会出場を決めた直後、歓喜に沸くハリルジャパンに激震が走った。指揮官は試合後の公式会見で「ジャーナリストのみなさんの中には、私がここから出ていくことを望んでいる人もいるかもしれない。もしかしたら残るかもしれないし、残らないかもしれない」「プライベートで大きな問題がある。この試合の前に帰ろうかと思っていた」と発言。予選突破を決めながら今後の去就も不透明になっていたが、「とある方々にとっては残念かもしれないが、私は仕事を続ける」と続投を明言した。

 会見冒頭、指揮官は「昨日の試合後の会見のことを申し訳なく思っている」と陳謝。「昨日の会見がフランスを含め、世界中で報道されていた。この状況の説明を少ししたいと感じている」と、サウジアラビア出発前に再び取材陣の前に姿を見せ、「私の昨日の発言は私を批判していた方々、私にプレッシャーをかけていた方々に向けたものだった」と明かした。

 オーストラリア戦の結果次第では解任の可能性があると報道され、前日会見では同国メディアからこれに関する質問も飛び出していた。「チームが首位のときに批判をされた。勝ち点も1位、得失点差も最もいい数字を残している状況で、オーストラリア戦の結果次第では私が去らないといけないと言っていた方々を私は“攻撃”として受け取った」と胸の内を明かすと、「私はロボットではない。感情を隠すことはできない」と訴えた。

「他のところからオファーがあり、金銭的にも協議面でもより良い条件を提示されたこともあった。しかし、私は目的を持ってここにきているので、忠誠心がある。2年半をともに過ごしているこのグループ、この日本という国にも愛着がある」。日本サッカー向上のために、引き続き尽力する姿勢を示した指揮官は「昨日の発言でチームが動揺するのは避けたかった」と騒動の収束を願った。

 会見に同席した日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は「ハリルホジッチ監督をフルにサポートしていきたい」と改めて全面協力を約束。「W杯出場切符をとることではなく、ロシアで素晴らしい試合をすることが目的。その目的に向かってこの一年間、チームをハリルホジッチ監督に引っ張っていってもらいたい」と力を込めた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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