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長友「ドキドキ感がある」…W杯出場を決めたチームは“カメレオン”

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日本代表DF長友佑都(インテル)

 予選突破の確率は、0%からのスタートだった。日本代表は16年9月1日にホームで行われた最終予選初戦UAE戦を1-2で落とした。現行の予選方式となった98年フランスW杯以降、過去5大会のアジア最終予選で初戦が黒星だったチームは全て予選敗退に終わっていた。しかし、チームはそのジンクスを見事に打ち破り、6大会連続でのW杯出場を決めた。

 W杯出場を決めたオーストラリア戦から一夜明けた1日。練習を終えて取材エリアに現れたDF長友佑都(インテル)は、このジンクスを打ち破ったことに安堵の表情を浮かべていた。「初戦で負けたチームはW杯に出る可能性が0%というデータを知って、それでプレッシャーを掛けられました」と笑いつつも、「でも、そこから巻き返せたのはすごく自信になるし、チームとして最高のスピリットを見せられたと思う」と予選突破を決めたチームに自信を覗かせた。

 今予選は「システムも変わったし、メンバーも代わった」と長友が振り返ったように、システムは4-2-3-1と4-3-3を併用し、メンバーに至っては大幅な入れ替えが行われた。最終予選初戦UAE戦(●1-2)とW杯出場を決めたオーストラリア戦(○2-0)を比較すると、ともに先発でピッチに立っているのはMF長谷部誠(フランクフルト)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF酒井宏樹(マルセイユ)とわずか3人のみだった。

 だが、ここにチームとしての強みがあると長友は語る。

「戦術も変われば人も代わったりと、結果的にカメレオンのような、相手からしたら本当に読めないチームになってきた。今まではメンバーを固定しがちな部分もあり、システムやメンバーが分かると、相手もそれだけ対策が練りやすくなる。けど、今のチームは本当に読めないのが、大きな武器になっていると思う」

 だからこそ、長友自身も「まず、自分自身が試合に出られるかというドキドキ感がある」と苦笑。だが、そういう環境でFW浅野拓磨(シュツットガルト)やMF井手口陽介(G大阪)ら若手が台頭しており、「レベルアップという意味では、すごく良かったと思うし、長い間代表にいる選手もより一層刺激を受けていると強く感じる」と切磋琢磨しながら、チームが成長していることを実感しているようだった。

(取材・文 折戸岳彦)

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