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豪州の“援護射撃”を誓う原口「レッキーやスピラとW杯に行きたい」

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ランニングで先頭を走るFW原口元気

 5日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(ジッダ)で先発出場が濃厚な日本代表FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)が、新旧チームメイトのいるオーストラリア代表のW杯出場を“後方支援”する。

 すでに日本はB組首位が確定し、W杯出場を決めているが、2位サウジアラビアと3位オーストラリアは勝ち点で並び、熾烈な2位争いを繰り広げている。日本の勝利は、すなわちオーストラリアを“援護射撃”することにもなる。

「サウジアラビアにチームメイトはいないけど、オーストラリアにはレッキーやスピラノビッチがいるから」。オーストラリア代表のFWマシュー・レッキーはヘルタでの現チームメイトであり、DFスピラノビッチは浦和時代の同僚。原口は「一緒にやった選手と一緒にW杯に行けたらもちろんうれしい。僕らは勝利を目指して戦うのは変わらない」と誓った。

 今月1日に行われたW杯欧州予選のチェコ対ドイツの試合では、ヘルタの同僚であるチェコ代表MFウラジミル・ダリダが目の覚めるような豪快なミドルシュートを決めた。その映像を見たという原口は「ダリダのシュートはすごかった。各国でみんなが最終予選を頑張っている。僕も帰ったらポジション争いをしなければいけないので、少しでも良い情報をダルダイ(監督)の耳に届けたい」と大いに刺激を受けている。

 アジア最終予選ではチームが苦境に陥っていた序盤戦に4試合連続ゴールを決め、予選突破の立役者となったが、W杯出場を懸けた8月31日のオーストラリア戦(2-0)では先発の座をFW乾貴士に譲った。

 ただ、原口には「ポジションを取り返しにいく」という意識はないという。「監督が(先発を)決めた一番の理由はコンディションだったと思う。僕が試合に出ていなくて、乾くんはしっかり出ていたから」と考えているのだ。だからこそ今後の日本代表活動の時間にやるべきことは、自己もアピールよりも、チームとしてW杯で勝っていくために新たな上積みを付け加えていくことだととらえている。

「今までは結果にこだわってやってきた部分があるけど、W杯を決めて、今度は結果だけでなく、内容にも目を向けていくべきだと思う」と話し、具体的には「自分たちでボールをつないでチャンスをつくれるような場面にもトライしたい」「効率よく守って、攻撃につなげたい」とテーマを掲げた。

「W杯の切符は取ったけど、(W杯のメンバーに)選ばれることが確定したわけではない。競争も含めてやっていきたい」。気の緩みなど一切ない原口。サウジアラビア戦をW杯へ向けた新たな第一歩とするつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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