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[MOM456]筑波大MF戸嶋祥郎(4年)_世界一のプレーを大阪で。ユニバ金のMFが延長2発!

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延長前半アディショナルタイム、筑波大MF戸嶋祥郎がこの日2点目のゴール

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.4 総理大臣杯2回戦 筑波大4-2(延長)中京大 J-GREEN堺]

 ゴールを決めた後に敬礼するパフォーマンスを早くも2回。チームメートのMF長澤皓祐(3年=FC東京U-18)と競っているというその数を、今回の総理大臣杯でどこまで増やすか――。

 筑波大MF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)はユニバーシアード日本代表として8月29日まで世界大会を戦い、日本の金メダル獲得に貢献。筑波大合流から間もなく、疲労も見えるMFは、同じくユニバーシアード金メダルメンバーのMF三笘薫(2年=川崎F U-18)、FW中野誠也(4年=磐田U-18)とともにこの総理大臣杯初戦でベンチスタートとなった。

 その戸嶋は2-1の後半36分から中野とともに出場。中軸の自分たちが差をつけ、そしてリードを守って試合終了までの10分間を終えなければいけなかった。だが、登場から2分後の38分に「自分がバタついて戻るところで戻れずに振られてしまった」(戸嶋)ことからミドルシュートを決められて同点。その後、戸嶋は中盤からテンポの速いパス、正確なラストパスを繰り出すなど存在感あるプレーをしていたが、チームは勝ち越すことができず、延長戦の計20分間を“余分に”戦うことを強いられてしまった。

 それでも戸嶋は相手の体力の落ちた延長戦で試合を決めて見せる。延長前半6分、三笘の左足シュートの跳ね返りをゴールへ押し込んで勝ち越し。敬礼ポーズでゴールを喜ぶと、前半アディショナルタイムにも三笘が突破から放ったシュートのこぼれ球を右足でゴールへ押し込み、2度目のゴールパフォーマンスを日の落ちたピッチで披露した。

 普段から心がけているという攻撃の中でPAまで入って行く動き。「きょうはたまたま入った。2分の2くらい来た感じ。4回入って4回入らない形もありますし。かなり相手も足が止まっていたのできょうは決められたけれど、勝ち進むと相手も隙がなくなってくる。その中でも決められるかどうか」と謙遜したが、試合を決めに行って決めてしまう部分はさすがだった。

 進路が未定のMFが、自身の評価をより上げるためにゴールが必要だということは理解している。「ユニバーシアードの大会だったり、今回の大臣杯の結果だったりプレーで進路が明確に見えてくる」と語る戸嶋にとって、目に見える結果は求めている部分だ。だからといって目の前の試合で何かを変えることはないが、普段どおりのプレーをし続ける中で必ず結果を手繰り寄せる。

 自身にとって初の国際舞台となったユニバーシアードはこれまで経験したことがないほど、特別な大会だったという。A代表と同じユニフォームを着用し、仲間たちと6試合を戦い抜いたMFは大学最高峰のプレーを見せなければならないという決意を持っている。「もっと還元したい。大学サッカー最高峰の技術であったり、球際であったり、アクションの質だったり伝えていければ」。金メダルを引っさげて参戦している総理大臣杯。中1日で迎える準々決勝ではよりチームにフィットした中で、世界一のプレーを大阪で披露する。

(取材・文 吉田太郎)
●第41回総理大臣杯特集

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