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[MOM457]明治大FW木戸皓貴(4年)_「オレが決める。オレに出してくれ!」。エースFWが宣言通りの決勝点!

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後半42分、明治大FW木戸皓貴主将が決勝ゴール

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.6 総理大臣杯準々決勝 常葉大浜松キャンパス 0-1 明治大 J-GREEN堺]

 全ては明治のために――。明治大でのタイトル獲得に懸けてきたFW木戸皓貴主将(4年=東福岡高)が決勝点を決めた。

 0-0の後半42分、木戸は右サイドのMF佐藤亮(2年=FC東京U-18)からのパスを前線で受けると、キープしてDFを引きつけてから右サイドを駆け上がったMF柴戸海(4年=市立船橋高)へボールをはたく。そして、すぐさまゴール前へ入り込むと、柴戸からの折り返しを右足ダイレクトでシュート。GKの指先を抜けたシュートがゴール左隅へ吸い込まれて決勝点となった。

 柴戸は木戸から「オレが絶対に決める。オレに絶対最後出してくれ!」と伝えられていたのだという。その言葉を受けていた柴戸にはGKとDFラインの間にクロスを入れる選択肢もあったが、「皓貴しか見ていなかった」とマイナスの折り返し。これを木戸が宣言通りに決めて劇的な決勝点が生まれた。

 誰かではなく、自分が決める。大学サッカー界屈指のストライカー、木戸にはその思いがあった。「4年生が引っ張っていかないといけないですし、最後まで守備陣が頑張ってくれていた。1点取れば勝てると思っていたので、その1点は自分が取ろうと思っていた」。DF陣の奮闘に見事に応えて勝利をもたらした。

 木戸は左膝前十字靭帯損傷から今年5月に復帰も再離脱。復帰を目指す最中にユニバーシアード日本代表メンバーに選出された木戸は、世界大会出場を目指して準備を進めたが、2週間で6試合という日程、また直後の総理大臣杯でのプレーを考慮して最終的にユニバーシアード参加を見送った。

「明治が一番というのがあったし、このチームがなかったらユニバにも選ばれていないということを考えて、もう一回、このチームに恩返ししたいなという気持ちで一回我慢して1か月間明治でしっかりチームに溶け込んで、なおかつ引っ張ってということから入ればチーム力も上がると考えた。その決断は難しかったんですけど、一番はこの明治だと思っているので恩返ししたいという気持ちがありました」

 ユニバーシアードの金メダルよりも、自分を成長させてくれた明治大への恩返しを選択。ユニバーシアード期間中は総理大臣杯優勝のために準備を進めることができた。そして、今大会では交代出場した初戦でゴールを奪うと、復帰後初先発となった常葉大浜松キャンパス戦では後半アディショナルタイムまでプレーして決勝点。自分の判断が間違っていなかったことをピッチで実証している。

 体力、周囲を活用する部分は問題ないと感じている。あとは、ゴール前での強引さをより発揮したり、スプリントの回数をもっと増やすこと。「チームに迷惑かけていたので、FWとして結果でチームに恩返ししたい」と思い続けているストライカーが準決勝、決勝でも明治のために、ゴールを奪う。

(取材・文 吉田太郎)
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