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[総理大臣杯]“夏の流経”復権へ!流通経済大がセットプレーからのジャーメイン2発と球際で差をつけ、準決勝進出!

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流通経済大が準決勝進出を決めた

[9.6 総理大臣杯準々決勝 東海学園大 1-2 流通経済大 J-GREEN堺]
 
 第41回 総理大臣杯全日本大学トーナメント準々決勝が6日に行われ、3年ぶりの優勝を狙う流通経済大(関東5)が2-1で東海学園大(東海3)に勝利。流経大は8日に行われる準決勝で明治大(関東7)と対戦する。

 流経大は前半15分に左SB小池裕太(3年=新潟U-18)の左CKをMFジャーメイン良(4年=流通経済大柏高、仙台内定)が頭で決めて先制。さらに23分にも、小池の右FKをGKが弾いた跳ね返りをジャーメインが詰めて2-0と突き放した。

 MF森永卓(4年=流通経済大柏高)が「(大会前)セットプレーは、例年になく選手だけでやっていたので、それが形になったので一番良かったかなと思います」と振り返るセットプレーからの2ゴール。2回戦で司令塔のMF渡邉柊斗(3年=東海学園高)が左手首を骨折し、先発から外れていた東海学園大は苦しい展開になると思われた。

 だが、東海学園大はドリブルとショートパスを織り交ぜながら攻め続けると、35分に左SB仲啓輔(4年=藤枝明誠高)の左CKが相手オウンゴールを誘って1点差。43分にジャーメインの決定的なシュートをCB戸根一誓(3年=興国高)が身体を張ってブロックすると、その後、FW山田哲也(4年=日本航空高)や戸根が流経大ゴールを脅かして会場を沸かせる。

 後半にはパス交換からMF武田拓真(4年=中央学院高、岡山内定)が左足シュートへ持ち込んだほか、MF榎本大輝(3年=中央学院高)の強引なドリブル突破が幾度か相手の中盤の守りを破っていた。

 それでも流経大は中野雄二監督が言う「(球際の攻防で)30cmのところを深く(懐へ)入る」部分やセカンドボールを絶対に先に足に当てるという部分で東海学園大との差を生み出す。ボールを奪った勢いで中盤のラインを突破していた東海学園大だが、流経大はMF守田英正(4年=金光大阪高、川崎F内定)や、中野監督が「潰すところの予測は一番いい」と評するCB小野原和哉(3年=磐田U-18)をはじめ、各選手が守備を怠らず、相手に満足な攻撃をさせなかった。

 森永が「守備の部分ではアグレッシブな部分が出ていた」と語ったように、積極的な守備で隙を見せずに試合を進める流経大に対し、東海学園大は42分、交代出場FW上田泰雅(4年=春日井東高)が左サイドから仕掛けてクロス。これをファーサイドのMF本多琢人主将(4年=長崎南山高)が合わせたが、これをブロックされると、その後のセットプレーもCB田中龍志郎(4年=習志野高)らに跳ね返されて同点ゴールを奪うことができなかった。

 流経大は右SBとして先発し身体を張った守りを見せていた関大和(1年=流通経済大柏高)がラストプレーで2枚目の警告を受けて退場するアクシデント。主力の右SB本村武揚(2年=流通経済大柏高)が初戦で肩を脱臼して欠場する中、不安材料もある。

 それでも、13、14年の優勝、15年4強と近年、夏に結果を残している流経大は厚い選手層と、迫力ある攻守でライバルたちに差をつけるか。「夏って言ったら流通経済大学とここ数年言われている中で、去年出られなかった悔しさがあります」(守田)という昨年の悔しさもエネルギーに、流経大が関東勢独占の準決勝、そして決勝も勝ち抜いて4度目となる頂点を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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