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[MOM459]法政大DF武藤友樹(4年)_“羽が生えた”元主務が筑波大沈める決勝点!

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軽やかなプレーで他を圧倒した法政大・武藤

[9.8 第41回総理大臣杯全日本大学トーナメント準決勝 筑波大0-1法政大 長居]

「羽がついてるんじゃないかというくらい、身体がキレている」と長山一也監督が、評するのも頷ける。今大会、法政大の右SB武藤友樹(4年=八千代高)が見せるパフォーマンスは他を凌駕するほどで「Jクラブとの練習試合でも十分通用している」(長山監督)という右MF紺野和也(2年=武南高)とのホットラインから何度も右を崩し、決定機を作ってきた。

 この日も「試合が動かない感じだったので、調子が良い和也で何とかして、崩していければ良いなと思っていた」と、右サイドから積極的にオーバーラップを仕掛けていた。攻撃参加からのクロスと紺野との息の合った連携を繰り返す中、最大の見せ場が訪れたのは前半39分だった。

 紺野が右サイドからクロスを入れると、ゴール前でFW上田綺世(1年=鹿島学園高)が右足ボレーで合わせた。このシュートはGKに阻まれたが、中央に位置した武藤が真っ先に反応。「たまたま良い所にボールが来た。最初はダイレクトで打とうと思ったのですが、相手が来てなかったので、落ち着いてトラップしたのが、良いシュートになった」と振り返るミドルシュートが歓喜を呼び起こした。

 後半24分にDF関口訓大(1年=新潟明訓高)が入ってからは、左MFとしてプレー。「この大会に入る前から得点やアシストにこだわってやってきた。最後のフィニッシュの部分が課題だったけど、成長できているのかなと思う」と手応えを話すように、思い切りの良い突破でマークをはがし、ゴールを狙う場面もあった。35分にピッチを退くまで武藤が見せたプレーは、まさに「羽が生えた」かのような軽やかなプレーばかりだった。

 武藤に羽が生えたには、きっかけがある。4年生となったのを機に「誰かがやらなければいけない」との思いから自ら主務に名乗りを挙げた。J2長崎へと進んだGK富澤雅也のように法政大では、主力が主務をするのは珍しいことではないが、武藤の場合はメンバー表の作成が提出ギリギリになったり、監督と上手くコミュニケーションがとれず、「大変でした。向いてなかったのかなって……上手くできなくて、監督にサッカーの部分以外で怒られることが多かった」。

 「あまり試合に引きずるタイプではないので、大丈夫だとは思っていた」とは話すものの、ピッチ内での影響は否めず、一時はBチームへの降格も経験。7月にはプロ入りを目指して、2つのJクラブに練習参加したが、ここでも思うようなパフォーマンスを見せることはできず、内定は貰えなかった。転機となったのは、大会直前の韓国遠征で長山監督から告げられた“クビの宣告”。主務の仕事が重荷になっていると考えた指揮官から、「お前はプレイヤーに専念しろ」と告げられたことで、「肩の荷が下りたというか、良かったと思う」と躍動感あふれるプレーを取り戻した。

 今大会は、出遅れた就活へのアピールの場でもある。「監督からも普段、関東に来られないスカウトが来てくれるので、かなり注目度が高いと言われている。個人のプレーも大事だけど、チームとして勝ち進むことも大事。今は両方ができているとは思う」。

 クビを告げた長山監督も、プレー面での成長を高く評価しており、「アイツは今、注目選手になっているので、どこかのチームが引っ張ってくれないかと思っている」。「ドンドン調子が上がってきているので、決勝でも良いパフォーマンスができれば良い」と意気込んだように、調子は右肩上がり。決勝でも右サイドを羽ばたくプレーで、チームに勝利をもたらせてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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