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[NB CHAMPIONSHIP U-16]大学生とも戦い、力つけてきた1年生。東福岡が昨年準Vの尚志に3発快勝!

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東福岡高の右SBモヨマルコム強志(左)が突破を図る

[9.16 NB CHAMPIONSHIP U-16 尚志高 1-3 東福岡高 時之栖うさぎ島A]

 全国大会級のU-16大会、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2017」が16日に開幕。予選リーグ屈指の好カードとなった尚志高(福島)対東福岡高(福岡)戦は3-1で東福岡が勝った。東福岡は予選リーグ2連勝でEブロック首位。尚志は1分1敗の3位で予選リーグ最終節を迎えることになった。

 先制点は東福岡が奪った。前半6分、MF渡辺葵佑海の右CKを中央でフリーの左SB倉又朗人が頭でゴール左隅に流し込む。リードを奪った東福岡は、その後も存在感放つ大型ボランチ、大串啓太郎やMF國府田駿、MF田尻将太がボールに絡んでサイドへ展開し、そこから強力ドリブラーのMF水野畝蓮や渡辺が縦への突破を図ってチャンスへと結びつけた。

 尚志もMF小池陸斗やMF今井聖士がプレッシャーを受けながらもボールを収め、そこからのパス交換やFW松島武虎の力強い突破などから攻め返す。だが、水たまりでボールが止まる展開の中、チャンスの数を増やすことができない。球際激しい攻防戦はそこで優位に立っていた東福岡が突き放した。

 前半24分、東福岡は右SBモヨマルコム強志の右クロスのこぼれを水野が右足シュート。甘いクリアボールを逃さずに2点目を奪い取った。東福岡は30分にも「(50m走のタイムは)6秒ジャストです。(憧れは)アーセナルのエクトル・ベジェリン選手。スピードには自信があるので縦へどんどん仕掛けてクロスを上げようと思っていました」というSBモヨが、抜群のスピードを活かして右サイドを突破。そのクロスから渡辺がクロスバー直撃の左足ボレーを放つ。そして、モヨとCB丸山海大を除いて9人を入れ替えた後半の2分には、MF鹿取海斗の右CKが相手オウンゴールを誘って3-0とした。

 尚志も6分、相手のミスを逃さなかった松島が右足シュートを決めて2点差。強引にボールを繋いで攻めようとしてミスの出た東福岡に対し、追撃ゴールで流れを引き寄せた尚志は16分、FW郡司克翔がスピードを活かして抜け出し、左足を振り抜く。だが、東福岡はCB清水開政が渾身のシュートブロック。畳み掛けることのできなかった尚志に対し、東福岡はFW岐部総志郎が起点になりながら、後半右SHにポジションを移したモヨの強引な突破などで攻め続ける。

 前回大会準優勝の尚志はGK鈴木康洋を中心とした守りで食い下がっていたが、東福岡が3-1で勝利。1年生FW染野唯月がトップチームのストライカー候補となっている尚志、1年生MF荒木遼太郎をU-15日本代表に送り出している東福岡の対決は東福岡が勝ち、各ブロック1位が進出する1stトーナメントへ前進した。

 東福岡の渡辺剛コーチは「1年生なんですけれども大学生ともやらせてもらったりしています」と1年生たちがよりスピード、強度のある3歳以上年上の相手とも戦いながら、強化してきたことを明かす。それは、ライバルたち以上に高いレベルの個、チームになるため。G大阪ジュニアユース出身のモヨが「東福岡は選手権に良く出るチームで、自分も選手権に出たかった。3年間の目標は選手権出て優勝して、優秀選手を取ること」と語ったように、彼らの目標は2冠を獲得した15年度のように、全国制覇することだ。

 鍛えられてきたチームは先発、サブの差がほとんどなく、選手層が厚い印象だが、状況判断の部分などはまだまだ。渡辺コーチは「こういう(雨天で悪コンディションの)環境にきっちり対応できるか。1試合目も低くて速いシュートやクロスを打ったらいいところで普通にやったりとか、この試合の後半も(ボールが止まって)繋がらないのに繋ごうとしたりしていた」と指摘する。そのような課題を全国大会級のトーナメント戦である「newbalance CHAMPIONSHIP U-16」で改善していくこと。そして決勝までの6試合全て勝ち切って、“赤い彗星”の1年生たちは将来へ向けて自信をつける。
 
(取材・文 吉田太郎)
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【特設ページ】newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2017

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