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[関東]“連帯責任坊主”1年生がまたも活躍!総理大臣杯優勝の法政大が前期首位筑波大に競り勝つ

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法政大が後期初戦で前期優勝の筑波大に2-1で競り勝った

[9.16 関東大学1部L第12節 筑波大1-2法政大 味フィ西]

 第91回関東大学1部リーグの後期リーグが16日に開幕した。味の素フィールド西が丘で行われた第2試合では、前期を首位で折り返した筑波大と総理大臣杯を優勝した法政大が対戦。注目の試合は1-1で迎えた後半20分にDF森岡陸(1年=磐田U-18)の関東大学リーグ戦初ゴールで勝ち越した法政大が2-1で制した。

 前期の対戦では筑波大が3-0で快勝。しかし総理大臣杯の準決勝で対戦した際には、1-0で法政大が勝利していた。勢いに乗った法政大はそのまま頂点まで駆け上がり、1982年大会以来となる35年ぶり4度目の優勝を飾っていた。連敗だけは絶対に避けたい筑波大と、勢いを止めず、前期5位からの巻き返しを図りたい法政大の激突。前半途中には森岡陸との競り合いで、筑波大の主将FW北川柊斗が額を裂傷するなど、激しさあふれるプレーの応酬になった。

 スコアを動かしたのは法政大だった。前半27分、相手のクリアボールに反応したMF森俊貴(2年=栃木ユース)が粘って折り返すと、ボールはゴール前で待っていたFWディサロ燦シルヴァーノ(3年=三菱養和SCユース)に渡る。「体勢は無理やりだったけど、打つしか頭になかった」。ディサロはボールコントロールから華麗な左足弾。法政大イレブンはゴール裏に陣取る筑波大応援団の前でディサロを中心に歓喜の輪を作った。

 ただ筑波大がこのままおとなしく引き下がるわけがない。後半7分に頭部にテーピングを巻いた状態で気合の出場を続けていた北川に代えてFW三笘薫(2年=川崎F U-18)を投入して反撃ムードを加速させると、迎えた同14分、左サイドのエリア内に侵入した三笘がドリブルで縦に突破。右足のアウトサイドで中に折り返すと、ファーに詰めたFW中野誠也(4年=磐田U-18)が流し込み、試合を振り出しに戻した。

 流れは一気に筑波大へ――。しかし実際に攻勢を仕掛けた筑波大だったが、逆転弾がなかなか決まらない。後半19分にはDF会津雄生(3年=柏U-18)の豪快なオーバーラップから中野がシュートを試みたが、ボールは惜しくもサイドネットに外れていった。

 すると我慢の時間帯を耐えていた法政大にチャンスがやってくる。後半20分、右サイドでMF紺野和也(2年=武南高)が自ら得たFKをゴール前に蹴り入れると、ボールは混戦をすり抜け、ゴール方向へ。その中で1年生DF森岡が足裏で押し込み、勝ち越し点を奪った。

 1年生による決勝弾。総理大臣杯の決勝で優勝を決めるゴールを奪ったFW上田綺世(1年=鹿島学園高)に続くルーキーの決勝弾になった。「自分もヒーローになりたいと思っていた」と話した森岡。総理大臣杯の阪南大戦のビデオ担当だった1年生部員が録画ミスをしたために1年生全員が連帯責任で頭を丸めて臨んだこの日。「より1年生の団結が深まった」と、たんこぶを作った坊主頭をかいた背番号4が、間違いなくこの日のヒーローになった。

 一方、2度目の勝ち越しを許したあとも筑波大にはチャンスはあった。特にエース中野には終盤、ゴール前で複数のチャンスが巡ってきた。しかし後半35分のDF小笠原佳祐(3年=東福岡高)のシュートのこぼれ球に反応した場面は上手くミートすることが出来ず。同39分のMF鈴木徳真(3年=前橋育英高)の縦パスからゴール前に抜け出した場面も、ボールが足元に入りすぎて、うまく打つことが出来なかった。

「法政さんの方が上だった」と敗戦を認め、総理大臣杯のリベンジ失敗に肩を落とした小井土正亮監督。20日の天皇杯4回戦の大宮戦に向けては早急な切り替えが求められるが、「選手たちは楽しみにしている試合。今は自信をなくしているように感じるので、大丈夫なんだという気持ちを取り戻させたい」と話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第91回関東大学1部L特集

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