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いわきFC今夏の新加入は金沢ルーキーDFや流経大中退の元U-17代表候補

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今夏よりいわきFCでプレーするDF榎本滉大(左)とMF熊川翔

 いわきFCには今夏、3人の新戦力が加わった。17日に行われたベガルタ仙台とのチャリティーマッチにはDF榎本滉大(22)とMF熊川翔(20)の2人が先発。新外国人FWのルーカス・マセド(20)は後半18分から途中出場した。

 榎本は今季より仙台大からJ2のツエーゲン金沢に入団していたDF。昨年は仙台大の主将を務め、特別指定選手として参加していた仙台ではナビスコ杯(現ルヴァン杯)に出場。いきなり決勝点を奪う鮮烈デビューを飾っていた。

 ただし卒業後に飛び込んだプロの世界は甘くはなかった。出場は6月3日の名古屋戦に途中出場したのみで、ベンチ入りすることもままならなかった。

 そんな榎本の獲得に興味を持ったのがいわきFCだった。榎本も金沢に入団して半年での移籍にためらいがあり、即決は出来なかったが、「自分に足りないところをピックアップしてやっているチーム。自分のプラスになるなと思って決めました」。

「金沢で出れてなかったので、1年間出れずに過ごしても成長に繋がらないという思いもありました。チームの目標(JFL昇格)を叶えて、自分もパワーアップして帰れればいいなと思っています」

 熊川は柏レイソルU-18出身で、13年にはU-17日本代表候補に選出された期待の選手だった。柏U-18を卒団後は大学サッカーの名門、流通経済大に進学した。

 しかしもともと大学進学に乗り気ではなかった熊川は、大学サッカーに馴染むことが出来なかった。「周りの人から大学を勧められたので行ったんですけど、4年間は勿体ないなという感じがあった」。両親の反対はあったが、「自分の人生だから自分で判断しろ」という言葉をもらい、今年7月に大学を辞めることを決断した。

 もともと興味があったといういわきFCには、柏U-18時代にチームメイトだったDF山崎海秀を通して練習参加を依頼。8月に入団の権利を勝ち取った。苦手だったという筋トレも、「あいつもデカくなっている」と山崎に刺激をもらって精力的に取り組んでいる。「まずは自分の足りないところはフィジカルだと思っている。そこを鍛えて、JFLに上がって、そこから少しずつステップアップしていければなと思います」。

 ルーカスは途中出場となったこの日、ポストを叩くシュートを放つなど、仙台を相手にゴール前で脅威となる可能性を示した。ブラジル人のルーカスは、ブラジルのサントスやポルトガルのマリティモといった強豪クラブを渡り歩いてきた実績を持つ。質の高い3選手を加えたいわきFCは今夏、更なるパワーアップに成功した。

(取材・文 児玉幸洋)

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