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[NB CHAMPIONSHIP U-16]変わるために進学した昌平で成長示すMF鎌田大夢。ドイツで戦う兄には「負けたくない」

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昌平高MF鎌田大夢はトップ下で攻撃力を発揮

[9.18 NB CHAMPIONSHIP U-16 昌平高 1-0 静岡学園高 時之栖うさぎ島A]

「変わるため」に来た昌平高で一つ結果を残した。トップ下の位置で出場したMF鎌田大夢(1年)は、相手プレスを上手くいなしてスペースへボールを運び、決定的なラストパスを配球。静岡学園高に攻められる時間が増える中、彼の判断良くボールを進めるドリブル、パスが相手コート深くまで押し返す原動力になっていた。

「自分はちっちゃくて、身体が弱いんで、相手に当たらないことをまず考えていました。守備がそこまでできる選手ではないので、ボールを奪わないことを意識して、簡単にはたくこととできれば、相手の前にどんどん入っていって、持ち味のスルーパスでチャンスメークしていくことを考えていました」。前半29分に決定的なラストパスを通すなど攻撃面で持ち味を発揮した鎌田は守備でも献身的に戦い続け、優勝に貢献した。

 中学時代はJFAアカデミー福島U15に所属。全国大会に出場するなど経験を積みながら成長することができたが、自分自身に対して厳しく向き合うことができず、このままではいけないと感じていた。「変わらないといけない」という思い、そして「兄が高校サッカーでやっていたので。自分も憧れて高校サッカーでしたいと思っていた」という理由で彼は2人の新人Jリーガーを輩出した埼玉の新鋭、昌平の門を叩く。

 兄は東山高(京都)から鳥栖を経て、現在フランクフルトで奮闘する日本代表MF鎌田大地。「比べられることも多いので負けたくない」という兄よりも二回りほど小柄な体格だが、技術力はタレント揃う昌平の1年生の中でもトップレベルにある。

「兄譲りのモノでもあるんですけど、スルーパスや視野の広さっていうのは、兄にも負けないようにできるようになりたいです」と意気込むMFは、上級生に混じって埼玉県2部リーグも経験。高校生のスピード、強度の中でもボールを持って攻撃のリズムを作る手応えを掴みつつある。

 もちろん、昌平での3年間で全国制覇やプロ入りという目標を叶えられるかどうかはこれからの彼の努力次第。鈴木琢朗コーチは、鎌田が献身性を身につけてきていること、高い技術力を備えていること、そして悔しい思いもしながら変化しつつあることを認め、「ボールを失う回数がまだ多いので、判断スピードが上がればいい」と飛躍のための課題改善を求めていた。

 自分の目標を実現するために高校サッカーで揉まれながら、成長を目指す16歳。プレッシャーももちろんあるが、今は乗り越えるために貪欲に日々を過ごすだけだ。そして「得点の取れる選手、得点を取らせる選手、そしてより怖い選手になりたいです」と誓う鎌田が埼玉から全国、そして目標の世界へ羽ばたく。

(取材・文 吉田太郎)
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