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ペルージャの19歳FW、母国北朝鮮の指示に「怯える」…突然テレビ出演がストップ

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ハン・グァンソンが北朝鮮の指示により、イタリア国営放送『RAI』の番組出演を直前で拒否

 セリエBペルージャに所属する北朝鮮籍の19歳FWハン・グァンソンが北朝鮮の指示により、イタリア国営放送『RAI』の番組出演を直前で拒否していたことが明らかになった。イタリア紙『ラ・スタンパ』が26日、報じている。

 ハンは2月にカリアリに練習生として加わるとすぐに実力が認められ、3月10日に契約を勝ち取った。3月に行われた国際ユース大会、トルネオ・ディ・ビアレッジョでの活躍を受け、トップチームへ昇格。4月2日のパレルモ戦に出場し、北朝鮮人選手として初めてセリエAの試合に出場した選手となった。続く9日のトリノ戦では試合終了間際にゴールを決め、欧州5大リーグで得点を記録した史上初の北朝鮮人選手となり、歴史に名を刻んだ。今シーズンはセリエBペルージャに舞台を移したが、これまで6試合に出場、5ゴールを記録しており、現在、得点王争いで3位に名を連ね、期待の若手として注目を集めている。

 しかし差し迫る北朝鮮情勢が若きホープの活躍に暗雲を落としている。ハンは24日、テレビ番組の生中継に出演が予定されており、ペルージャからミラノまで車で移動。番組内で受ける質問にもすでに目を通し、準備もすべて整っていた。ところが直前になって平壌から電話連絡が届き、「テレビには出るな」との指示を受けた。

 番組内では、ペルージャやカリアリでのハンの活躍などを扱う予定となっており、政治とは無関係とみられた。それでも母国の許可を受けることはできなかった。ペルージャのマッシミリアーノ・サントパードレ会長は、「まるで移籍市場のように交渉は不可能だった。平壌の担当者はハンとだけしか話を望まなかった。(北朝鮮)政府との関係は緊張化している。選手のテレビ出演が禁じられ、もし破った場合は祖国へ帰国させられる」とテレビ局に対し、説明。ハンの様子については「怯えていた」と伝えた。

 なお生放送の番組には、ハンが座るはずだった席は空席のまま、サントパードレ会長が出演して対応に追われた。「彼は(ホテルの)部屋に閉じこもっている。19歳だから、出演する気分になれなくなってしまったのだろう。ピッチ外のことに関してはまだ成長しなければならない」とカメラの前で説明し、舞台裏について明かしていなかった。

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