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[adidas cup Tokyo]来季ではなく、夏冬2冠の力に!流経大柏の1、2年生が羽黒に勝利

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流通経済大柏高の左SB佐藤輝(右)は先発再奪取を狙う

[9.29 adidas cup Tokyo 流通経済大柏高 3-0 羽黒高 RKUフットボールフィールド]

 選手権予選、リーグ戦へ向けた強化並びに真剣勝負の場となる「adidas cup 2017 tokyo」が29日、RKUフットボールフィールド(茨城県龍ヶ崎市)で開幕した。今夏のインターハイ優勝校・流通経済大柏高(千葉)と羽黒高(山形)との一戦は、先発全員2年生で臨んだ流経大柏が3-0で快勝した。

「チームがどうやって攻めるのか? 繋ぐのか? 外から攻めるのか? それともガツガツ放り込むのか?」。流経大柏の本田裕一郎監督は試合後、やるべきことがややバラバラだった来季の主軸候補選手たちに対し、確認を行っていた。

 流経大柏が得意とするショートカウンターを表現するためには上手くボールを奪わなければならない。流経大柏のボールを奪う手段はハイプレス。それが「(単独で奪いに行ってしまっているため、)連動していない。それを2番目、3番目のところで取るためにはコンパクトにする必要がある」。本田監督は作戦ボードを使って選手に問いかけながら、一つひとつ順を追って理解させていた。

 左SB佐藤輝(2年)は「(ハーフタイムに)監督に言われて、みんな意識変わって後半ちょっと良くなったんですけどまだ動きが遅かったり、連動できていない。修正していきたい」。試合後、できていなかった部分について頭の整理をすることができた選手たちは次の試合から改善することを誓っていた。

 今回、インターハイ優勝メンバーの関川郁万、MF熊澤和希の両2年生が怪我もあって不在の流経大柏だが、下級生たちにとっては貴重なアピールチャンスだ。その中で序盤から攻める流経大柏は前半10分に佐藤の左クロスからMF中井颯人(2年)の放った左足ボレーが左ポストを直撃。中盤で豊富な運動量とテクニックを見せるMF町田福人(2年)や左サイドで落ち着いたプレーを見せる佐藤、FW芹田悠真(2年)らが羽黒を押しこむが、連動性を欠いたプレスを羽黒のパスワークに剥がされて押し返されてしまう部分もあり、なかなか先制点を奪うことができない。

 羽黒は推進力のあるMF嵯峨野凱(2年)やキープ力十分のMF鈴木雅也(3年)ら複数の選手が絡みながらショートパスを繋いで前進。FW永野幹太(3年)と右SB関根啓介(2年)のコンビで右サイドを打開して見せるなど相手を脅かすシーンを作ったが、その数を増やすことができなかった。

 流経大柏は前半26分に待望の先制点を奪う。左CKのクリアボールを拾った芹田が右足でGKと最終ラインの間へクロスボール。これが相手のオウンゴールを誘って1-0となった。その後も、町田や中井の仕掛けなどからチャンス。37分には芹田の左FKをMF{{星野直輝(2年)が頭で合わせて2-0とした。

 流経大柏は後半、前半に比べると連動してボールを奪う回数が増加。交代出場のMF豊田祐羽(2年)らが決定機を作り出したが、最後の局面で粘る羽黒の前にダメ押しゴールを奪うことができなかった。それでも、後半34分に交代出場のFW吉田俊輔(2年)がこぼれ球を左足で決めて3-0。反撃する羽黒に中央を破らせず、3点差で勝利した。

 2年生にとっては来季だけでなく、11月に初戦を戦う選手権予選へ向けてもアピールの機会。昨年、1年生ながら右SBのレギュラーとしてインターハイ準優勝を経験し、その後右前十字靭帯断裂の大怪我を乗り越えてきた佐藤は「もっと動かなければいけないし、走ったり、守備の面でも1対1とか前みたいにもっと強くしないといけない。(Aチームのレギュラーに)戻りたいです」と誓う。夏の全国王者の2年生たちは、一回一回の試合を大切に戦い、メンバーに一人でも多く食い込んで、夏冬2冠の力になる。

(取材・文 吉田太郎)

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