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[MOM467]立命館大FW鈴木太我(1年)_スケールの大きな人間へ、ルーキーが2G1A!

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ガッツポーズをみせる立命館大のルーキー鈴木

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 第95回関西学生L後期第2節 立命館大3-2桃山学院大 三木第2]

 試合序盤、鷺原拓也(2年=大分U-18)が負傷により交代を余儀なくされると、その直後に失点。パスを回せてもなかなかゲームの主導権を握れない立命館大の沈滞した空気を振り払ったのは、得点への執念を見せるルーキーの躍動だった。

 2G1Aとこの日の全ゴールに絡んだFW鈴木太我(1年=桐光学園高)。津田亘介(3年=尚志高)のクロスボールを頭でねじこんだのを皮切りに、71分には清水航輔(4年=京都U-18)からのパスに裏へ抜けて逆転弾を決めると、最後はドリブルで持ち上がり、佐當慧(4年=清風高)の得点をお膳立て。ゴールへ向かう多彩な動きを披露した。

 関西選抜に選出されている木藤舜介(3年=東福岡高)、U-19大学選抜の延祐太(1年=JFAアカデミー福島)をはじめとして、立命大には個性豊かなFW陣が揃う。その中で「『点を取る』という強い気持ちを一番持っている」と米田隆監督が評価するのが鈴木だ。本人も「自分は背もそれほど高くないし、足も速くないし、技術があるわけではない。だからこそ『点を取る』ところで負けたくない」とストライカーらしい貪欲さを隠さない。

 高校時代は「思うようにボールが出てこないときに、『なんでだよ』って思って動くのをやめたり、諦めたりしていた」と精神的な未熟さから、結果を出せないこともあった。チームメイトがJクラブや関東の強豪大学へと進む中、あえて進学先に立命大を選んだのは、桐光学園高・鈴木勝大監督の「人間力の向上が、競技者としての向上につながる」という言葉を胸に、自らの成長を誓ったからだ。

 高校の先輩でもある白坂楓馬(3年=桐光学園高)が大学サッカーを通して成長した姿を見たことも決め手となった。慣れないひとり暮らしに、これまで以上に親への感謝も感じていると話す。

 今シーズンはここまで5得点と、本人の目標である「リーグで二桁得点」達成まではまだ道半ばだ。「攻撃で動きなおす回数をもっと増やせば、もっと怖い選手になれる。ゴールに迫る連続性を増やしてほしい」という米田監督の要求に応えて、まずはチーム内でのポジション争いを勝ち抜きたい。

 高校時代から鈴木が背を追う小川航基(磐田)のような絶対的な選手になるために、そしてライバルとして切磋琢磨を誓い合う鳥海芳樹(桐蔭横浜大1年=桐光学園高)に負けないために、関西学生リーグでスケールの大きな人間へ、プレイヤーへと進化の歩みを続ける。

(取材・文 蟹江恭代)
●第95回関西学生1部L特集

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