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[国体少年男子]山口県が13年ぶりの初戦突破!福島県を三度突き放して1勝!

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後半18分、山口県はCB今田蒼葉(3番)が決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.1 国体少年男子1回戦 福島県 2-3 山口県 新居浜市営サッカー場1G]

 第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」サッカー競技が1日、愛媛県の西条市と新居浜市で開幕した。16歳以下の都道府県選抜チームで争われる少年男子の部の1回戦8試合が行われ、福島県と山口県との一戦は山口県が3-2で競り勝った。山口県は2日の2回戦で青森県と戦う。

 山口県にとっては、岩手県と宮崎県に勝ってベスト8へ進出した04年大会以来、13年ぶりとなる白星。選手たちは試合後、スコアボードの前で記念撮影も行うなど全員で勝利を喜んだ。田中眞智監督(徳山高)は「昨年は8年ぶりに出場して満足だったけれど、今年は2つ勝ちたいねと言ってきた。(勝つためにやってきたことは)守備もできて、前に速く仕掛けること。スピードがあったり、献身的にできる子がいる」と説明し、主将のMF田近洸貴(高川学園高2年)は「今年はベスト8以上を目標にして、まず一つ勝ったので良かった」と頬を緩めた。

 試合は先行する山口県に対し、福島県が追いつき、また山口県が突き放す展開となった。前半9分、山口県は相手のバックパスを読んでいたFW山本廉哉(高川学園高2年)がインターセプト。そのまま左足で先制ゴールを流し込む。

 だが、福島県は前半終了間際の35分、MF小池陸斗(尚志高1年)がコントロールされた左足ミドルをゴール左上隅に突き刺して同点に追いつく。FW染野唯月(尚志高1年)がスペースでボールを引き出し、攻撃の起点を作る福島県に対し、山口県は田近とMF末次章悟(高川学園高2年)のダブルボランチがボールの奪いどころと配球役となり、パワフルなFW山本やMF内田修人(山口U-18、1年)の仕掛けからゴールを目指した。

 後半13分、山口県は内田の左クロスを末次が頭で合わせて勝ち越し。だが、福島県は15分、右サイドからの攻撃で相手の守りを崩すと、SB金本周作((尚志高1年)のラストパスをFW小松崎宙(尚志高2年)が難なく右足で合わせて2-2とした。

 それでも「追いつかれても、『まだ行ける』という勢いがあった」(田近)という山口県は18分、田近の左CKをCB今田蒼葉(高川学園高1年)がDFの頭上から打ち込むヘディングシュートをゴールへ突き刺して三度先攻。福島県は小池の左足の配球やサイド攻撃から反撃したものの、山口県の守りを破ることはできず、山口県が3-2で勝利した。

 山口県は8年ぶりに国体出場した昨年、初戦で京都府に逆転負け。怪我によって全国メンバーから外れた田近や、同じく国体出場を逃した末次、山本は今大会に懸ける気持ちが非常に強かった。田中監督が「(早生まれの2年生たちは)めちゃくちゃマジメ。率先してお手本になってくれる」と評する彼らが中心となって、チームはまとまり、掴んだ1勝。ただし、目標はもう1つ勝ってベスト8入りすることだけに、13年ぶりの1勝に満足することなく、次の1勝に全力で挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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